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2007/12/21

<韓国経済>大手企業グループ・来年の投資15%拡大

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    現代・起亜自動車はグローバル展開を加速するため来年は過去最高の3兆ウォンを投資する計画だ(米アラバマ工場)

 現代・起亜自動車、LG、SKなど主要企業グループの来年の投資計画をみると、今年より15%前後増える見込みだ。不正資金疑惑と政界へのロビー疑惑で特別検事の捜査が入り、来年の事業計画が確定していないサムスンを除いて、主要グループのほとんどが、来年は事業を拡大するとしており、積極的なマーケティング活動を通じてグローバル市場の攻略に全力を上げる。

 現代・起亜自動車は来年、最大規模となる6兆ウォン台の設備投資と研究開発(R&D)投資を行う。同グループによると、今年の連結売上高(現代自、起亜自、現代製鉄、グロービスなど)は、初の100兆ウォンを超えると予想されることから、来年は売上高110兆ウォンをめざす。これに伴い、6兆ウォンを投資する計画だ。

 このうち、現代・起亜自の新モデル開発などR&D投資は3兆ウォンを超え、グループ全体の半分以上を占めるもようだ。これは過去最大だった2005年(投資額2兆8710億ウォン)を上回る。

 また、グローバル展開を加速するため、海外でのマーケティング、販売、サービス網を拡充する方針だ。来年は起亜自の中国第2工場が本格稼働し、上半期中に現代自の中国第2工場とインド第2工場が完成する。また、起亜自のスロバキア工場の増産を図り、中国型新モデルの投入で今年落ち込んだ中国市場でのシェア拡大をめざす。

 このほか、現代自のチェコ工場、ロシア工場、起亜自の米ジョージア工場の建設など、グローバル生産拠点を構築するための大型プロジェクトに拍車をかける。

 SKグループは、主力のSKエネルギーを通じて、海外資源の開発を強化していく計画だ。来年の投資規模は8兆ウォン台と推計されている。

 今年のグループ全体の売上高は73兆ウォンで、来年は80兆ウォンを超えると予想されている。これに伴い、来年の投資規模は、売上比10%水準の8兆ウォンになる見込みだ。

 これまでSKエネルギーは、海外資源開発でリスクを減らすため、経済性の高い鉱区に投資してきたが、来年からは鉱山の開発権を取得し、直接開発に乗り出す構えだ。

 一方、LGグループは来年、主力業種の電子、液晶、通信分野を中心に10兆ウォン規模の投資を計画している。

 LGフィリップスLCDは、50インチ以上のパネルを生産できる8世代ラインの新設を決定し、来年は3兆ウォンを投資する。また、北京五輪で大型液晶テレビの需要が増えると期待している。

 LG電子も、来年は3兆ウォン台半ばに投資を増やし、携帯電話と新事業を強化する方針だ。今年の携帯電話の販売台数は全世界で約8000万台に達し、来年は25%増の1億台を突破すると展望されている。