韓国銀行が発表した「7月の国際収支動向(速報)」によると、海外旅行の急増で旅行収支が過去最高の15億㌦を超す赤字を記録した。しかし、輸出の好調などで7月の経常収支は16億4000万㌦の黒字となった。商品収支の黒字幅がやや縮小し、サービス収支も悪化したが、所得収支が大幅な黒字に転じた。経常収支は、今年3月、4月と大幅な赤字が続いたが、5月から好転し、今年1-7月の累計では黒字となっている。
7月の経常黒字に貢献したのは、移転収支の改善だ。6月まで季節的要因によって増えていた海外配当金及び利子支払いが減少し、海外投資の増加による果実収入が増え、所得収支は5億3000万㌦の黒字を記録した。この半面、夏期休暇によって海外旅行客が大幅に増え、7月の旅行収支赤字は15億5000万㌦に達した。赤字幅は前月より2億1000万㌦も拡大し、月間基準で過去最大となった。
旅行収支は通貨危機が発生した97年から2000年初めまで毎月黒字を計上してきたが、それ以後は赤字に転落し、年々拡大の一途を辿っている。2005年7月に初めて赤字幅が10億㌦を突破し、今年はついに15億㌦を超えた。
韓国銀行は、夏休みによって7月の韓国人出国者が前月より21・9%増え、海外旅行の経費が大幅に増え、旅行収支の悪化につながったと分析、出国者が最も多い8月は、旅行収支の赤字規模がさらに膨らむと予測している。
一方、銀行の短期外貨借り入れが大幅に増え、6月の34億9000万㌦から7月は60億㌦に急増。1-7月の累計借り入れは300億9000万㌦に達した。韓国銀行は、7月に銀行の外貨借り入れが急増したのは、輸出企業の為替先物取引が増えたことと、銀行の外為取引が活性化したためと指摘。さらに、資本収支の黒字幅が縮小し、為替が安定すれば、短期外貨借り入れの増加は落ち着くと分析している。