自動車や半導体の好調で、4月の輸出が先月(306億1000万㌦)に次いで300億㌦を突破し、2ケタの伸びを維持した。これによって輸出は、昨年2月から15カ月連続で2ケタの増加率を記録した。しかし、原油価格の高騰などを反映して輸入も293億㌦に大幅に増え、貿易収支の黒字幅は3月の15億㌦から8億㌦に落ち込んだ。
産業資源部が発表した「4月の輸出入動向」(速報)によると、輸出は301億5000万㌦で前年同月比17・8%増を記録し、昨年2月以来、15カ月連続で2ケタの成長が続いている。
輸入も同19・9%増の293億5000万㌦に拡大し、貿易収支は8億㌦の黒字となった。貿易収支は、原油価格の上昇などで3月(14億㌦)より減ったが、2003年4月から49カ月連続で黒字を記録している。
4月の1日平均輸出額は13億1000万㌦で、前年同期比15・3%増え、1日平均輸入額も17・3%増の12億8000万㌦となった。
輸出の好調が続いているのは、主力品目の半導体が前年同期比13・8%伸び、昨年第4四半期と今年第1四半期に3%台の伸びにとどまっていた自動車が25・1%増に回復したため。
半導体は、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)価格の下落で需要が増大したことと、新OS(基本ソフト)のウインドウズビスタの登場で輸出量が増えた。このほか、鉄鋼(37・3%)、一般機械(27・2%)、自動車部品(23・4%)、石油化学(22・0%)も高い伸びを示した。
地域別では、EU(欧州連合)が建造船舶の引き渡し減で65・2%減と大幅に低迷したが、米国(18・9%)、日本(17・0%)、中国(26・0%)向け輸出が好調だった。
一方、航空機及び同部品、半導体製造装置、光学機器などの導入が増え、輸入は輸出を上回る伸びとなった。この原因は、国際原油価格をはじめとする各種原資材価格が上昇したこととウオン高によって輸入額が大きく膨らんだためとみられる。
産業資源部は、為替の上昇と中国の追加引き締め策、米国の景気鈍化などで貿易環境が悪化する可能性があり、下半期から輸出の勢いが鈍化すると予想している。