ポスコが進めていた光陽製鉄所第3高炉の改修工事が完了し、改修前より65万㌧多い385万㌧に生産能力が拡大した。これに伴ってポスコの粗鋼生産量は年3300万㌧に拡大、新日本製鉄を抜いてアルセロールミタルに次ぐ世界2位の鉄鋼メーカーに躍進した。
今回の光陽第3高炉の改修工事は、当初の計画より11日も早い55日で完了し、大型高炉の改修で世界最短工期を達成した。李亀沢・ポスコ会長は、「工期の大幅短縮は、現場の作業プロセスが非常に効率的になったことで実現した」と高く評価した。これまでの世界記録は、同じポスコの浦項第3高炉の改修工事(58日)だった。
今回の改修では、冷却能力と耐久性に優れた銅を使用し、高炉の外部冷却システムを新設した。これによって高炉の寿命は平均15年から20年以上に延びる。さらに旧高炉より原価節減と生産性向上が大幅に高まり、世界の鉄鋼メーカーとの競争で優位に立った。
また、コスト削減に力をそそぎ、今回の光陽第3高炉改修への投資額は、2005年の光陽第2高炉の改修に比べ17%安く上がった。
新たに生まれ変わった光陽第3高炉は、11月30日に火入れ式を行い、本格的な稼働に入った。本体の内部容積が旧高炉の3800立法㍍から4600立方㍍に21%拡大し、生産能力は年385万㌧に増えた。
今年5月に完成した浦項ファイネックス工場の年150万㌧を加えると、ポスコの粗鋼生産能力は3300万㌧に増大する。3200万㌧規模の新日鉄を抑えて世界2位にランクが上がったものの、アルセロールミタル(年1億1800万㌧規模)とは3倍以上の開きがあり、同社を追撃するため、2009年初めに光陽第4高炉の改修作業に取りかかる計画だ。