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2007/11/02

<韓国経済>中国発インフレ韓国に打撃へ

  • keizai_071102.jpg

    急激な経済成長で豊かになり、スーパーのセールに群がる中国人たち(天津・Eマート)

 中国の物価が急激に上昇し、中国発のインフレが韓国をはじめとする世界各国の低価格商品に影響を与え、物価上昇につながる懸念が出てきた。サムスン経済研究所は、「中国のインフレ原因と示唆する点」と題した報告書を発表し、「世界の工場」である中国の製品が値上がりし、中国発のインフレが拡散すれば、世界経済の成長鈍化につながり、原材料などを中国に依存する韓国経済に深刻な打撃を与えると警告している。

 同研究所は報告書の中で、「中国の消費者物価と賃金上昇は国際原材料価格の上昇と共に中国輸出品の価格を高める要因だ。中国に対する輸入依存度が高い韓国や日本、米国などにインフレが広がる可能性がある」と指摘した。

 また、中国発インフレが影響して米国と韓国の消費者物価は9月に入り、それぞれ前年同月比2・8%、2・3%上昇し、欧州地域の物価も上昇が明確だったとした。

 中国の物価上昇が原油価格の高騰や過剰流動性などに伴う既存のグローバルインフレの圧力を一層高めたことになる。

 中国の消費者物価は8月(6・5%)に続き9月(6・2%)も前年同月比6%以上の上昇を示し、インフレが本格化する様相を見せている。

 これに伴い、中国産製品の輸入比重が高い韓国、日本、米国などは、物価上昇圧力が大きくなると専門家らは分析している。2006年末基準で全体輸入量のうち中国産の比重は日本20・5%、米国15・9%、韓国15・5%と各国ともに依存度が高い。また、韓国の対中輸入規模は9月末現在、約453億㌦で1位となっている。

 米タイム誌は最近号で「グローバル経済の核として跳躍する中国の次世代輸出品は他でもないインフレだ。中国発のインフレがグローバル経済の伏兵として作用する可能性がある」と警告している。同誌はまた、「中国の物価上昇が著しく進行している。世界最大の流通業者ウォルマートの価格上昇を見れば影響の大きさが分かる」と付け加えた。

 これまで中国特需を享受してきた韓国の輸出も同様に打撃を受けるものとみられる。韓国輸出入銀行の研究員は「物価安定のために中国政府が金利引き上げなどの緊縮政策をとり、中国経済が萎縮すれば韓国の対中輸出は鈍化する。韓国の輸出が電気、電子などの一部品目に依存しているだけに問題は深刻だ」と指摘する。

 また、中国に進出した一部韓国企業は、物価上昇により現地労働者の賃金引き上げ要求が強まることを懸念している。サムスン経済研究所研究員は「政府は住宅価格の安定や公共料金の引き上げの自制などで、物価上昇の圧力を最小化して輸出競争力を高めるなどの対策をとらなければならない」と強調した。

 専門家らは「世界の工場」である中国の物価急騰が輸出品の単価引き上げにつながり、貿易相手国の物価体系に影響を与え、世界経済の成長を鈍化させる可能性が高いと指摘している。