盧武鉉政権が意欲的に推進した大企業と中小企業の「共生協力」政策が大きな成果を上げている。盧大統領主催による「共生協力成果報告会」が青瓦台(大統領府)で行われ、李健熙・サムスン会長をはじめ4大財閥グループの総帥、経済団体5団体長などのほか、政府側から権五奎・副総理(財政経済部長官)、金栄柱・産業資源部長官などが参席し、これまでの成果を報告した。しかし、「共生協力」が表面的で実質的な効果は微妙だという指摘もあり、今後の課題となっている。
同政策を主管する産業資源部は、報告書を通じて、今年、30大グループが中小企業を支援するために拠出した共生協力投資は2兆782億ウォンに達し、昨年に比べて45・3%増えたと明らかにした。これは、2005年の2倍に当たる。
企業内に中小企業を助けるための専門組織を設置したグループも大きく増え、2005年の4グループから今年は19グループに拡大した。これについて産業資源部は、「共生協力が有効な経営戦略であるという認識が短期間で広がった。大企業と中小企業の二極化解消の礎が作られた」と評価した。
その半面、このような成果は表向きの成果に過ぎないという指摘もある。中小企業中央会が中小企業225社を対象に実施したアンケートによると、大企業と中小企業の協力関係について、質量ともに良くなった」と回答したのはわずか20%だった。これに対し、「量は増えたが、内容の変化はない」との回答は43・1%にのぼり、投資は増えたが、実質的な助けにはなっていないことを裏付けている。
さらに、「あまり過去と変わらない」が22・7%、「過去よりも後退した」は14・2%に達したが、これは、納品単価の調整など、中小企業にとって実質的な助けとなる分野で改善がみられなかったためだ。また、225社中95社がウォン高によって大企業から圧力(負担)を受けたと回答している。
一方、サムスンの李会長は、報告会で、「韓国は攻撃的な規制緩和を行うことで、早く先進国になれる」と話した。「韓国経済が現状況で最も力点を置いて推進すべき課題は」という記者の質問には、「人材育成、R&D(研究開発)、規制緩和」と答えた。
特に李会長は、「規制緩和は、先進国を見れば重要性がわかる。先進国の事例は韓国にとって教科書だ。規制緩和は攻撃的にしなければならない。まだ1人当たり国民所得が2万㌦になっていない韓国が規制緩和をすれば、3万㌦までいく」と力説した。