国際的な気球温暖化防止への取り組みに呼応して、韓国政府も本格的な二酸化炭素(CO2)の排出権の確保に乗り出す。政府は、青瓦台(大統領府)で第2回国家エネルギー委員会を開き、温暖化問題への新たな戦略を確定した。同委員会には盧武鉉大統領も出席し、CO2を売買する炭素市場の開設や段階的な温室効果ガス縮小目標の設定、CO2ファンドの造成、新エネルギー技術開発などを推進するを決めた。
韓国は、世界10位のCO2排出国だが、現在は温室ガスの削減義務がない。しかし、政府は、京都議定書による温室ガス削減義務国家に指定されている先進38カ国に次いで、2013年から韓国、中国などが対象国になるとみられることから、これに対応するため、国際社会と足並みをそろえ、温暖化防止対策に本格的に取り組む。
エネルギー委員会では、まず最初に炭素市場を開設する方針だ。年内にも発足し、CO2の排出権取引をスタートする。すでに国際市場ではCO2排出権が活発に取引されているが、韓国には国際的な認証を受けた排出権が少ない。このため、エネルギー管理公団に登録された50件のCO2削減事業(140万㌧)を対象に政府が「削減実績」を認定し、それを売買する。
政府は、温室ガス削減に取り組む企業や社会的影響力の強い企業などが排出権の購買に参加すると期待しているが、国内での環境がまだ整っておらず、当面はエネルギー関連の公営企業と政府が購入する方針だ。参加企業は、政府と新再生エネルギー供給協約(RPA)を結んでいる韓国電力及び発電子会社6社、地域暖房公社、水資源公社などで、協約目標の不足分を炭素市場で購入することになる。また、これらの企業が購入した後の残りについては、政府が国際相場(トン当たり10㌦以上)の半額であるトン当たり5000ウォン水準で購入するとしている。このため政府は、すでに今年の予算に50億ウォンを特別計上し、2011年までに計685億ウォンを投資する方針だ。
また、一部の排出権については、輸出も促進する考えだ。金栄柱・産業資源部長官は、「すでに登録された排出権のうち10件余りは国際基準を満たしており、現在活発に取引が行われている国際排出権(CER)市場やシカゴ気候取引所(CCX)などで売買したい」と話している。
さらに、国内で現在進行中の19件のCDM(クリーン開発メカニズム)事業(1400万㌧)のうち14件が国連に登録されており、国際市場での取引量は今後増えると展望される。政府によると、これらの取引量は金額にして1500億ウォンに達する見込みだ。これを政府は2012年までに4500億ウォン規模に引き上げる方針だ。