韓国政府は、ゴルフ場、ヨットハーバーなど国際的なレジャー・スポーツ施設の造成を国家次元で推進していく第2段階のサービス産業育成策を発表した。また、IT(情報技術)インフラの拡充、金融インセンティブの拡大などに力を注ぎ、サービス業を先進国レベルに引き上げ、国際競争力を高める方針だ。
政府が発表したサービス産業育成策によると、まず海外のゴルフ人口を国内に誘致するため、国際的なゴルフ場の建設を推進する。耕作地に適さない農地を用地として活用する方針で、農家が農地を現物出資し、施工業者が資金を調達してゴルフ場を建設するよう誘導する。これに伴い政府は、農地を提供する農家やゴルフ場開発業者に対し、税制支援などの優遇策を講じるほか、ゴルフ場の運営費を支援する考えだ。
さらに、忠清南道・泰安などの観光レジャー型企業都市に対し、ゴルフ場の建設を促し、法人税、地方税などの税金を減免する。また、ゴルフ場へのアクセス道路の整備については、事業費の50%を国庫から支援する。
一方、海洋レジャー産業の活性化を図るため、ヨットなど海洋・レジャー施設の拡充に力を注ぐ。来年下半期までに国家プロジェクト「マリーナ基本計画」をまとめ、ヨットハーバーなどの建設に乗り出す方針だ。
現在、全長12㍍未満のレジャー用船舶の航行は、港湾内の波のない平水区域に制限されているが、これを多島海とその周辺海域にまで拡大し、水上レジャー業者に課している共有水域の占有・使用料を軽減する。
さらに、港湾法上で「親水施設」(水遊び、魚釣り、散策など水と親しむ目的で設置された施設)に分類されているマリーナをレジャー・観光港施設に分類し、商業港や漁港と同じ水準の支援を行う。また、現在1カ所しかないクルーズ専用埠頭を6カ所に拡大し、大型クルーズ事業の育成を図る。
財政経済部は、これによって高級レジャー・スポーツ産業を振興させ、海外からの観光客の誘致を図るとともに、韓国人の海外観光熱に歯止めをかけ、旅行収支の赤字改善につなげる考えだ。
このほか、知識基盤サービス産業の競争力強化に向けて、放送広告公社(KOBACO)が独占している放送広告市場を開放し、自由競争体制に転換する。
IT分野でも、活性化を図るため、RFID(無線認識)、USN(ユビキタスセンサーネットワーク)システムなど生産性向上につながる設備投資に対して、税額控除の対象を拡大するほか、サービス業のロボット投資に対しても税金を控除する方針だ。