SK㈱が中国最大の国営石油会社、中国石油化工集団公司(シノペック)と提携し、湖北省武漢に大型NCC(ナフサ分解)工場を建設する。これによってSKグループの念願だった中国での現地生産が可能になり、中国の武漢に「第2の蔚山工場」が誕生することになった。
SKによると、今回の共同プロジェクトを成功させるため、先週末に崔泰源・SKグループ会長が訪中、温家宝首相や王天普・シノペック総裁と会談し、最終合意を取り付けた。これを受けてSKの申憲・淵曠鵐船腑襦房卍垢ャ24日に中国を訪問、シノペック側とNCC工場建設に関するLOI(投資意向書)に調印した。SKは、2年前から中国への生産基地建設を進めてきたが、ようやく実現することになった。
武漢工場は敷地165万平方㍍で、年間70万―80万㌧のエチレンを生産する。原料のナフサは、シノペックの子会社である武漢精油から供給を受ける予定だ。
2010年までに2兆ウォン以上を投資する計画だが、具体的な投資額や合弁比率、着工の時期などについては今後の協議で詰める。この工場が稼働すると、蔚山工場と同じ規模のエチレン生産能力を保有することになる。
武漢NCC工場が稼働すると、2010年にSKの中国での売上高は、現在の2000億ウォンから3兆ウォン台に拡大する見通しだ。
SKの武漢工場建設は、中国市場で石油化学の垂直系列化を実現するための布石として重要な意義を持つ。韓国企業で初めて中国での石油精製が可能になり、エチレンを原料とする韓国の石油化学メーカーの中国進出も相次ぐと予想される。
現在、SKグループの中国法人は23地域、53カ所に及ぶ。これまでSKは、中国でアスファルト販売、資源開発、石油流通などの事業を展開してきたが、今回のNCC工場設立で、中国を第2の内需市場にするというSKの戦略が大きく前進することになった。
SKは、石油化学以外の分野でも中国での事業拡大に総力を傾けている。SKテレコムは、中国で3300万人の加入者を抱えるチャイナユニコムと戦略的提携を結び、中国市場攻略に拍車をかけている。SKネットワークスは、中国東北3省を中心に、約30カ所でガソリンスタンドの開設を推進中で、SK・C&Cも、中国政府と電子政府の構築やユビキタス都市の建設に協力している。
こういった中国での事業拡大で、SKは2010年にグループ連結で中国での売上高5兆ウォン(輸出含む)を達成する考えだ。