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2007/02/02

<韓国経済>財政破綻の可能性警告

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    KDIは、高齢化によって老人の医療費が急激に増え、福祉予算が加重すれば、財政破綻を招くと分析している

 政府系研究機関の韓国開発研究員(KDI)が、韓国社会の急速な高齢化によって財政破綻の可能性があると警告している。KDIは「財政持続とリスク要因」と題した報告書で、財政のリスク要因として▽潜在成長率低下による収入減▽高齢化による年金及び医療費など財政支出の増大▽福祉関連支出の急増――を挙げ、政府がリスクを考慮せず、支出を増やせば財政危機に陥る可能性が高いと指摘した。

 同報告書は、高齢化によって国民年金や公務員年金など公的年金の収支がますます悪化し、2032年から赤字に転落、2050年には赤字規模がGDP(国内総生産)の6・0%を超えると予測している。また、健康保険に対する政府の支援も、現在のGDPの0・5%水準から最低0・8%、最大1・4%に高まると分析している。

 これを受けKDIは、今後の支出増大を考慮し、5年単位の財政運用計画ではなく、先を見据えた長期的計画を樹立する必要があると勧告。また、現在GDP比30%水準の負債規模を50%まで増やしても、高齢化による支出増をまかなうには収入を増やす必要があると指摘した。

 経済成長率の鈍化によって、税収が過去のように伸びるのは難しく、そのうえ、急速な高齢化で年金及び医療費の支出が増え、財政危機に陥りかねない。統計庁によると、経済活動人口に占める老年人口(65歳以上)の比率は、2000年の10・1%から2050年には62・5%に上昇する見込みだ。老年層の増加に伴って年金及び医療費の支出が増えるのは不可避で、このようなリスク要因が財政運用に反映されていないとKDIは憂慮している。

 国民年金と健康保険を財政に組み込むと、財政危機の可能性がますます高まる。昨年は、政府の支払い利子と純債権(回収が可能な政府融資額)を除いた基礎統合財政収支(年金、社会保障保険を含む)はGDP比4%の黒字だった。しかしKDIは、2050年にGDP比6%の赤字に陥ると展望している。

 KDIは、「政府は予算の確保を考えず、各種福祉政策を発表してきた。現在は老年人口がまだ比較的少なく、福祉予算の負担はあまり大きくないが、高齢化が急速に進む事は目に見えており、政府が無計画な福祉政策を進めれば、財政破綻が起きる可能性がある」と警告している。