韓国政府は、原油の高騰が深刻化していることを重く見て、今月15日からぜんこく819の政府機関及び公共機関で乗用車の運行規制に踏み切る。2部制(ナンバー末尾の奇数と偶数で制限)を導入し、運行を半分に減らすほか、政府庁舎の温室温度を上げたり、高速道路及び一般道路の街灯の点灯を半分に制限し、エネルギーの削減を図る。
政府は、韓昇洙・国務総理が主宰する関係長官会議を総理公館で開き、原油高危機管理対策の第1段階非常措置であるエネルギー節減政策を前倒しして実施することを決めた。
当初、第1段階措置は、国際原油価格(ドバイ現物取引基準)が150㌦に達した段階で発動する予定だったが、原油価格が急騰し、「第3次オイルショック」水準に突入したと判断、繰り上げ実施に踏み切る。仁川市教育庁など、すでに車両運行規制を開始した公共機関もある。
政府は、2部制の実施によって、約1万5300台の官公庁の車両の運行を30%削減するとともに、2012年までに全体の車両の50%を軽自動車やハイブリッド車に代替する。また、公共機関の建物の室内温度管理を夏季でセ氏26度以上から27度以上に、冬季で20度以下から19度以下に調整する。このほか、エレベーターの運行禁止を3階以下から4階以下に、隔階停止をこれまでの4階以上から5階以上に規制する考えだ。
民間部門に対しても、自主的なエネルギー節減を呼びかけていく。しかし、原油価格が170㌦に達し、原油の需給に重大な支障が生じれば、強制措置に切り替える。
今回の措置にもかかわらず、公共部門が韓国全体のエネルギー消費に占める比率は3・7%に過ぎず、効果は少ないとみられている。それでも公共部門のエネルギー節減を前倒しで実施するのは、官が範を示し、民間の省エネ意識を高めるのがねらいだ。
第1段階措置の核心は、中央政府、地方自治体、教育庁など819の公共機関の乗用車2部制実施、公共施設のライトアップ用照明禁止、深夜時間帯の一般道路及び高速道路における街灯規制など。民間部門についても、自主的省エネ推進とともに、ソウル市にのみ課している乗用車の曜日運行制を全国に拡大することを促す。
このような第1段階措置は、石油の需給が逼迫していない状況での対策で、原油価格がさらに高騰し170㌦になれば、民間にも省エネ措置を強制する。ただし、これと同時にガソリン、軽油、LPG(液化石油ガス)などの石油税を引き下げ、中小企業への資金支援など、民生安定策を講じる方針だ。さらに政府は、国家備蓄原油の放出、電力の供給制限、石油の配給制などの非常対策も検討している。