サムスン電子の第2四半期(4~6月)の実績が好調で、四半期ベースで過去最高の売上高を記録した。しかし、営業利益は、前年同期比では2・1倍と大きく伸びたものの、世界景気の低迷が響き、前四半期比では半導体を除いて全部門で減益となり、振るわなかった。
サムスン電子が発表した第2四半期の実績(本社基準)をみると、売上高18兆1400億ウォン、営業利益1兆8900億ウォンを記録し、前四半期に比べ売上高は6%増加したが、営業利益は12%減少した。海外法人などを含めた連結基準の売上高と営業利益は、それぞれ29兆1000億ウォン、2兆4000億ウォンとなっている。
部門別の実績は、半導体の売上が前四半期比4%増の4兆5800億ウォン、営業利益が同38%増の2700億ウォンを達成。高成長が続いていた液晶パネルは、大型製品が好調で売上が前四半期比9%増の4兆7100億ウォンに達したが、営業利益は同1%減の1兆ウォンとなった。しかし、減益にもかかわらず2期連続で1兆ウォンを維持した。
情報通信(携帯電話)部門の売上は、前四半期比2%増の6兆1400億ウォンだったが、営業利益はマーケティング費用の増大で同15%減の7900億ウォンにとどまった。デジタルメディア部門も、売上が前四半期比15%の2兆5600億ウォンに伸びたが、価格競争の激化で営業利益は第1四半期の黒字(400億ウォン)から1600億ウォンの赤字に転じた。
第2四半期のマーケティング費用は、前四半期より4000億ウォン近く増え1兆397億ウォンを記録した。これは、北京五輪のスポンサーとして出費がかさんだためで、同社が四半期ベースで1兆ウォン以上をマーケティングに投入したのは初めて。
不正資金疑惑の捜査で経営に空白が生じたことも営業利益減の一因とみられる。検察の捜査によって役員人事が遅れたため、第2四半期に人件費負担が前四半期より15・7%(612億ウォン)も増えた。
しかし、原材料価格の急騰による負担はそれほど大きくなかった。プレミアム製品の比率を高め、製造コストの節減に努めたことによって、製品の原価率は71・9%に低下し、前四半期(72・6%)よりも改善した。また、為替もサムスン電子に味方した。同社は、前四半期より1000億ウォン多い4000億ウォンの為替差益を得た。
一方、サムスン電子は、今年の設備投資額を1兆5000億ウォン増やすと明らかにした。果敢な投資でライバル社との差を広げる戦略だ。朱ウシク・副社長は、企業説明会で、「当初11兆ウォンとしていた設備投資額を12兆5000億ウォン以上に増やす。メモリー半導体に7兆ウォン、液晶パネルに4兆5000億ウォン、システムLSIに6000億ウォンを投資、世界市場で優位に立つ」と意気込みを示しており、第3四半期からの巻き返しが期待される。