知識経済部が発表した８月の貿易動向によると、輸出は前年同月比20・６％増の３７３億９０００万㌦、輸入は同37・０％増の４０６億２０００万㌦に達し、貿易収支は32億２９００万㌦の赤字となった。今年に入り黒字を記録したのは５月（９億２０００万㌦）のみで、１～８月の累積赤字は１１５億７０００万㌦に拡大、年間では11年ぶりに赤字に転落する公算が強まっている。

　下半期に入り、貿易収支の改善が予想されていたが、原油高など原資材価格の高騰が続き、赤字幅はむしろ拡大に向かい、深刻な事態になっている。輸出は絶好調が続いているが、通関日数の減少によって８月の１日当たり輸入額が前年同月比46・７％増の18億１０００万㌦となり、過去最高を更新した。

　品目別の輸入増加率をみると、原油（90％）と石油製品（１２１％）が急増し、これに伴って原資材の輸入増加率が65・８％（８月１～20日）に大幅拡大、前年同期（９・５％）から一気に上昇した。これは、主要エネルギー資源の導入単価が前年同月に比べて急騰したためで、原油（81％）、石炭（１０７％）、石油製品（75％）、ガス（66％）、鉄鋼製品（67％）の値上がりが目立つ。

　韓国が導入しているドバイ原油の月平均価格は、７月の１バレル当たり１３１㌦から８月は１１３㌦に14％下落したが、長期購買契約のため、実質的には１２７・６㌦と２％しか下がらなかった。

　消費財の輸入も増大している。秋夕（旧盆）を控えて需要が高まった農産物が39％も急増。また、並行輸入などが増え、乗用車も38％増えた。

　一方、８月の輸出を品目別にみると、船舶（１４７％）、石油製品（99％）、鉄鋼製品（37％）が大きく伸びた。一般機械（24％）、無線通信機器（21％）、自動車部品（14％）なども好調を維持したが、自動車は大手３社（現代、起亜、ＧＭ大宇）の部分ストによる影響で17％減少した。半導体（13％減）とコンピューター（28％減）も製品価格の下落と需要減によって低迷した。さらに先進国の景気鈍化で家電（14％減）と繊維類（６％減）も振るわなかった。

　地域別の輸出をみると、中南米（87・２％増）、東南アジア（45・８％増）、中東（41・２％増）、中国（33・１％増）が絶好調で、欧州（20・６％）と米国（16・３％）も２ケタの伸びとなった。

　知識経済部は、最近の原油価格の下落が９月以降に本格化すれば、貿易収支が黒字に転換すると予測しているが、先進国の景気鈍化が途上国に波及する来年上半期は輸出が鈍化すると分析している。韓国の途上国向け輸出比率は67％に達しており、輸出は厳しい局面を迎えるとみられている。