世界的な不況の足音がする中、サムスン、現代起亜自、LG、SKの4大グループで経営家効率を高めるため、事業構造の調整作業が進められている。ただし、不況の長期化に備え、IMFショックに見舞われた10余年前のような大規模な資産売却やリストラなどの荒療治はなされていない。当時と比べて相対的に資金事情がしっかりしており、過剰設備も多くないからだ。代わりに主要系列社の事業部の分離・統合や生産ラインの転換など内部の構造調整が相次いでいる。シナジー(相乗)効果が期待できる事業部はM&A(買収・合併)や戦略的提携で大型化し、より専門化が必要な事業部は分割または分社化している。
サムスングループは最近、業績が悪化しているデジタルカメラ事業部門の分社化を決定した。サムスンテクウィンは理事会で、カメラ事業部門と精密機械事業部門を分割すると決議した。同社は来月19日の株主総会を経て、来年2月1日付でカメラ事業を専業とする「サムスンデジタルイメーング」を別途設立する方針だ。
テクウィンは今回の事業分割目的について、「各部門別に専門化を強化し、市場の変化に迅速に対処するため」とし、「デジタルカメラをデジタルテレビに次ぐサムスンの代表ブランドに育成する」と説明している。
精密機械部門は、新規事業の進出を通じて新たな成長エンジン化する計画だ。分割比率はサムスンテクウィン69%、サムスンデジタルイメージング31%に決定した。
サムスングループはすでに、サムスン電子のPDP(プラズマディスプレーパネル)テレビ生産ラインをサムスンSDIに一部移管するとともに、サムスン電子とサムスンSDIがそれぞれ展開しているOLED(有機発光ダイオード)事業を統合し、新設法人サムスンモバイルディスプレーを出帆させている。
現代起亜自グループも総合部品メーカー、現代モービスを中心に改編し、部品事業の力量強化を図っている。自動車モジュール事業の原価競争力を強化するため、現代モービスが自動車用電装部品の生産会社、現代オートネットを吸収。さらに現代モービスは系列会社の現代ロテムからハイブリッドカー部品の製造事業を譲り受け、ハイブリッドカーの核心部品事業にも本格進出した。
LGグループは、LG電子のPDPモジュール事業の赤字が続いているため、慶尚北道・亀尾のPDPモジュール生産ラインを太陽電池生産ラインに転換した。また、部品系列社の統合を推進しており、LGイノテックがLGマイクロンを年内に吸収合併する計画だ。LG関係者は、両社の統合によって購買力と設備投資能力を拡大し、部品事業の規模を拡大すると説明している。