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2008/10/17

<韓国経済>来年・経済成長率予測3%台にダウン

 韓国の来年度経済成長率は3%台に低下するという悲観的な見方が相次いでいる。韓国銀行は3・9%、LG経済研究院はさらに低い3・6%と予測。IMF(国際通貨基金)は3・5%とさらに厳しい。政府が来年度予算案作成時に予想したを4・8~5・2%を大幅に下回る。米国発の金融危機が来年には実体経済に本格的に波及し、貿易依存度の高い韓国はその影響をもろに受けそうだ。

 李成太・韓銀総裁は先週末の基準金利引き下げを決めた後、「経済成長率が4%を下回る現象が今後しばらく続く可能性がある」と懸念を示した。米国・ワシントンで13日開かれたIMF・世界銀行の合同年次総会でも、李総裁は「今年の第4四半期や来年上半期までは4%成長が難しく、来年下半期にも良くなるとは言い難い」と述べた。

 LG経済研究員院は13日、「国内景気の下降基調は来年上半期まで続き、来年のGDP(国内総生産)成長率は3・6%にとどまる」との見方を示した。昨年実績の5・0%、今年見通しの4・4%を大きく下回る。世界経済の低迷で、輸出増加率が1けたに下落し、内需不振も続けば、失業率は今年の3・1%から来年は3・4%に上昇すると予測している。

 またIMFは、「世界経済見通し」の中で、韓国の来年度経済成長率見通しを4・3%(6月発表)から3・5%に下方修正した。IMFは、世界恐慌以来の金融危機で、世界経済が重大な景気下降局面に入りつつあり、その影響が大きいと分析した。

 米証券大手のゴールドマン・サックスも13日、来年の韓国経済成長率を既存の4・6%から3・9%に引き下げた。韓国が世界金融市場の混乱から容易に抜け出せないとの予測を下方修正の主要根拠に挙げている。

 このように国内外の研究機関の予想通りなら、韓国の来年度成長率は2003年以降6年ぶりに3%台に鈍化することになる。年7%成長を掲げた李明博政権にとってますます厳しい状況になってきた。

 確かに韓国経済を取り巻く環境は悪化している。世界的な信用収縮を克服できるかどうかが不確実な上、信用収縮の実物経済への波及に伴う景気低迷の深さや持続期間を予測するのも難しい。さらに対外依存度が高い韓国経済がこうした対外要因にどの程度対応できるかも速断できる状況にない。

 韓国は対外依存度が他国の比べ高いことも問題だ。先進国に続き新興市場国などに景気低迷が広がれば、予想をはるかに上回るレベルで輸出に影響を及ぼす可能性があり、そうなれば消費と投資が冷え込んだ韓国としては致命的な打撃を受ける恐れがある。政府の適切な対応が求められている。