先週末からストに入った全国運送産業労組貨物連帯(貨物連帯)に続き、原油価格急騰による運賃引き上げなどを求めて建設・機械労組も16日からストに突入した。これによって物流が大混乱に陥り、建設現場での工事の遅れも憂慮されている。さらに、貨物連帯などの上部組織である全国民主労働組合総連盟(民主労総)が、7月を「総力闘争の月」と宣言し、傘下労組が一斉にゼネストに入ると予告しており、韓国全土がまひする恐れも出てきた。
民主労総は17日、記者会見し、今月末日までを「大規模キャンドル集会結集期間」と定め、米国産牛肉問題、公共部門の民営化阻止、原油など物価暴騰対策、大運河反対などを掲げて抗議行動を個別の組合ごとに展開する方針を明らかにした。さらに7月2日からゼネストを開始し、3日から現代・起亜自動車労組が所属する全国金属労働組合がストに入るほか、公共運輸連盟と全国保健医療産業労働組合も相次ぎストに突入する。3~5日は産業別労組がソウルに集結して決起集会を開く。この集会には4万人が参加する予定だ。
政府は現在、荷主や貨物連帯とスト中止に向けた話し合いを行っているが、交渉は長期化する見通しだ。米国産牛肉輸入反対運動に便乗して政治的立場を強化しようとしている民主労総の動きに対する世論は冷たく、ストの影響はさほど大きくないという見方もある。
民主労総は10日から5日間かけて全国1700社、70万人の組合員を対象に、ゼネストの賛否を問う組合員投票を実施した。その結果、賛成が70・3%に達し、ゼネストを決定した。
ゼネストが決行されれば、産業、物流に大混乱が起き、韓国経済は大きな打撃を受けると懸念されている。一足早く突入した貨物連帯のストによって、港湾機能がまひし、輸出の船積みが遅れ、企業の操業中断が相次ぐなど、甚大な影響が出ている。
1日平均1000台を輸出している現代・起亜自動車は、通常の5%程度しか輸送できず、今週から船積みが停滞している。ポスコの浦項製鉄所と光陽製鉄所も、出荷ができず、現代製鉄の唐津製鉄所も輸送がストップした。鉄スクラップが調達できず、製品の出荷が止まったことで、建設業者などにも影響が広がっている。
部品の供給が滞り、中小企業の操業中断も相次いでいる。大宇エレクトロニクスでは、光州工場の輸出及び原資材輸入が中断した。ハンソル製紙でも陸上輸送のまひにより、出荷と輸出に支障が出ている。
国土海洋部によると、ストの影響で主要港湾とコンテナ基地における1日当たり取扱量は1万4969TEU(通常の22%)に減った。運送拒否車両は1万3369台に達し、主要港湾だけでも8625台がストップした。群山港ではコンテナの搬出入が全面中断し、平沢唐津港、木浦港、光陽港などの搬出入は10%にも満たない状況だ。
政府は、貨物連帯が求めている運賃引き上げ問題を解決するため、現代自動車、ポスコ、LG電子などの荷主に交渉に応じるよう勧告している。建設・機械労組は、「原油価格が前年より2倍ほど上がったが、運賃は15㌧基準で27万~35万ウォンにとどまっている。運賃引き上げ要求が通るまでストは続ける」と強気だ。