ここから本文です

2008/06/06

<韓国経済>過去最高の輸出395億㌦

  • keizai_080606.jpg

    絶好調の船舶は、これまで単一品目で輸出トップだった半導体の記録を塗り替えた(現代重工業・蔚山造船所)

 知識経済部が発表した5月の貿易統計(速報)によると、輸出が394億9000万㌦、輸入は384億5000万㌦で、貿易収支は10億4000万㌦の黒字となり、昨年12月以来続いてきた赤字から6カ月ぶりに黒字に転換した。輸出は前年同期比27・2%も急増し、2004年8月(28・6%)をやや上回った。また、輸出額、輸入額とも、3カ月連続で史上最高を更新した。

 5月の輸出を品目別にみると、原油価格の急騰に伴う単価上昇で石油製品が118%も急増したほか、船舶(56%)、無線通信機器(36%)、鉄鋼(33%)、一般機械(21%)、石油化学(19%)、液晶(18%)が大幅な伸びを示した。

 低迷が続いていた半導体も、中国と台湾のメモリー企業が一部の事業を放棄し、ハイニックス半導体がNANDフラッシュの減産を発表したことから価格が上昇に転じ、これによって9カ月ぶりに5%増に回復した。

 特に好調だったのが船舶輸出で、2006年11月に半導体が樹立した39億4000万㌦の記録を塗り替え、単一品目では史上最高となる49億㌦を達成した。知識経済部によると、現代重工業が5月27日にナイジェリアにFPSO(浮遊式原油生産貯蔵設備)1基(13億㌦規模)を輸出し、貿易収支の黒字転換に貢献した。

 これに対して、自動車は、現地生産の増加で2%減となり、コンピューターも需要不振から12%減に落ち込んだ。

 地域別にみると、ASEAN(東南アジア諸国連合)向け輸出が45・2%の高い伸びを記録したほか、中南米が44・3%増、中国が32・6%増、中東が27・8%増、EU(欧州連合)が17・6%増と好調だった。その半面、対米輸出は5・4%減少した。

 5月の国別貿易収支は、中国(8億7000万㌦)、香港(8億8000万㌦)、EU(6億6000万㌦)が黒字を記録したが、中東(マイナス50億9000万㌦)、日本(同17億㌦)、米国(同3億2000万㌦)は赤字となっている。

 一方、輸入は、エネルギー資源や鉄鋼などの原資材が価格の高騰で前年同月比49・6%増えた。資本財は無線通信機器部品(106%)、液晶デバイス(61%)などが急増したが、半導体製造装置(40%減)、光学機器部品(14%減)などは減少した。また、消費財は農産物(41%増)や乗用車(29%増)などを中心に14・7%増となった。

 昨年10月以降、8カ月連続で20%以上の高騰が続いている原油は、5月の平均単価が1バレル=110・5㌦となり、前年同月比68%増加したのに伴い、原油輸入額は58%増の81億1000万㌦に膨らんだ。

 知識経済部は、貿易収支が黒字に転換したのは、原油価格の高騰にもかかわらず、船舶や石油製品の輸出が大幅に伸びたのが原因と分析、ウォン安による輸出好調が当分の間続くと予想し、ドバイ原油が1バレル=110㌦以下になれば年間でも黒字になると期待している。