韓日を代表する企業・団体トップが一堂に会して両国経済の協力や課題について話し合うため千葉県・浦安市で開かれていた「韓日・日韓経済人会議」は16日、「4月の韓日首脳会談で合意した韓日FTA/EPA交渉再開と早期締結に向けた環境づくりに両国経済人が協力すること」などとする共同声明を採択し、2日間の日程を終えた。趙錫来・韓日経済協会会長と飯島英胤・日韓経済協会会長の両団長は近く連名で、韓日政府に声明を踏まえた要望書を提出する。
今年で40回目を迎えた同会議には、趙錫来会長をはじめ、金相廈・元韓日経済協会会長、李熙範・韓国貿易協会会長、飯島英胤・日韓経済協会会長、瀬戸雄三・アサヒビール相談役、田崎雅元・川崎重工業会長ら両国の経済人300人(韓国側136人、日本側164人)が参加、本音の議論が展開された。
趙錫来会長は閉会後の会見で「ビジネスフレンドリーな李明博新政権ができたという共同認識を確認することができたと同時に、本音の議論ができる雰囲気がつくられた。今会議で両国の経済人は、拡大する貿易不均衡をどう是正するかという課題、中小企業をいかに発展させるかという問題、あるいは両国間の技術協力の問題、また韓国の投資環境改善などについて今後どう協力していくべきか、本音の議論ができた」と総括。飯島会長も「いつになく本音の議論ができた。共同声明も例年に比べ、非常に実践的なテーマが盛り込まれた。今後は盛り込まれたテーマを日韓間で協力して、一つでも前進、解決して両国のますますの経済交流、親善交流の活性化に結び付けていきたい」と述べた。
会議討論会は二部構成で行われ、第1セッションの「日韓の技術競争力強化と経済連携」では米倉誠一郎・一橋大学教授が司会を務め、米倉弘昌・日本経団連副会長、羅ギョンファン・韓国生産技術研究院院長ら4人が討論者として参加した。
また、第2セッションでは、伊丹敬之・東京理科大学教授の司会で「日韓の均衡ある貿易拡大に向けて」をテーマに、村上雅章・韓国三井物産社長(ソウルジャパンクラブ理事長)、任千錫・建国大学校商経大学教授ら5人が討論者として本音の議論を展開した。
一方、韓国側代表団は会議に先立ち、福田康夫総理大臣、高村正彦外務大臣、 甘利明経済産業大臣、額賀福志郎財務大臣を表敬訪問。韓日間の経済交流活性化と友好協力関係の増進に向け日本政府の力添えを要請した。