ここから本文です

2009/03/27

<韓国経済>政府・過去最大の補正予算29兆ウォン

  • keizai_090327.jpg

    政府は大型の補正予算で景気の浮揚を図る(失業対策を訴える大学生たち)

 政府が中小企業の支援と雇用創出のため、総額28兆9000億ウォンに達する過去最大の補正予算案を確定した。資金難に苦しむ中小企業や零細商工業者の支援に4兆ウォンの流動性を供給するとともに、グリーン成長政策や低所得者の生活安定や雇用維持、就職支援の拡大などに重点的に予算を配分する。政府は今月中に補正予算案を国会に提出、早い時期の成立および予算執行を目指す。

 政府は補正予算総額のうち、税収不足分に充当する11兆ウォンを除く約18兆ウォンを景気浮揚のための各種政策に投じる。

 政府はまず、中小企業・輸出企業2万7000社を支援するため信用保証と政策資金援助額を従来の4兆3072億ウォンから8兆2389億ウォンに拡大した。また、信用保証基金に1兆800億ウォン、技術信用保証基金に5200億ウォンを追加で出資し、信用保証供給枠を従来の50兆2000億ウォンから63兆10000億ウォンに増額した。

 さらに中小企業の資金難を解消するため、緊急経営安定資金への融資を1兆ウォン増やし、3000社が支援を受けられるようにする。自営業者1万8000人への融資枠も5000億ウォン増額した。

 零細自営業者と無店舗・未登録事業者に対する信用保証強化策としては、地域信用保証財団中央会に2000億ウォン、地域信用保証財団に3700億ウォンをそれぞれ出資する。

 未来に備えたグリーン成長などの投資には、2兆5000億ウォンを配分した。研究・開発(R&D)や、情報通信(IT)、ソフトウェアなど成長潜在力分野への支援を3兆2630億ウォンに拡大、4大河川流域の環境整備予算も1兆2645億ウォンに増やした。

 一方、政府は民生安定分野に4兆2000億ウォンを投じ、生計支援世帯を従来の100万世帯から220万世帯に増やすほか、失業給与と生業資金の支援対象も110万人から150万人に拡大する。

 雇用維持と就職支援に向けては3兆5000億ウォンを支援し、55万人の雇用を新たに生み出すとしている。22万人の雇用を守るとともに、33万人に職業訓練を受けさせる。インターンを採用した中小企業に対しても給与の70%までを政府が支援し、採用規模も3万7000人増やす計画だ。

 ただし政府予算を使った雇用創出には限界があり、民間企業と労組が協力するワークシェアリングを導入した企業への支援として5000億ウォンの予算枠を確保した。人員削減の代わりに休業や訓練などで雇用を維持する企業への支援金も現行の583億ウォンから3653億ウォンに増大した。

 また、無給休業の勤労者6万人に対して、平均賃金の最大40%を休業手当てとして支援する制度を新しく導入する。この支援制度は3カ月を限度とし、計992億ウォンを予算から投入する。

 企画財政部の尹増鉉長官は、今回の補正予算案について「追加補正予算と規制緩和、民間投資の拡大を同時に進めれば、経済成長率を2ポイントほど引き上げることが可能だ」と説明した。