世界同時不況の長期化で苦戦を強いられている世界の電子業界で、韓国のサムスン電子とLG電子が好調だ。両社の連結業績は2四半期連続で黒字となり、サムスン電子の業績は金融危機前の実績を上回った。主要メーカーが業績悪化に直面する自動車業界でも、現代自動車が唯一、国内外でシェアを拡大するなど回復の兆しを見せている。
サムスン電子が発表した2009年第2四半期(4~6月)決算は、国内外を合わせた連結ベースで、売上高が32兆5100億ウォン、営業利益が2兆5200億ウォンとなった。米国の金融危機に端を発する世界同時不況が始まる直前の昨年第2四半期実績(売上高29兆1000億ウォン、営業利益2兆4000億ウォン)を上回ったことになる。
第1四半期(1~3月)に営業損失を記録した半導体と液晶パネル部門が価格上昇を追い風に黒字転換したほか、テレビなど生活家電を手掛けるデジタルメディア(DM)部門も営業黒字を記録した。
とりわけデジタルメディア部門の営業利益は前四半期の3800億ウォンを大きく上回る1兆600億ウォンで、初の1兆ウォン突破を果たした。なかでも、液晶画面のバックライトに消費電力が少なく画像も鮮明な白色LED(発光ダイオード)を採用したLEDテレビが爆発的に売れた。従来の液晶テレビより2倍近く高いが、3月の発売から100日間で50万台が売れ、米国の40インチフルHD(超高画質)テレビ市場でのシェアを49・6%に伸ばした。
半導体部門は、営業利益が6700億ウォンの赤字(前四半期)から2400億ウォンの黒字に転換した。パソコン向けDRAMやNANDフラッシュなどの価格が20%ほど上昇したうえ、原価競争力の優位性や製品の差別化、高価製品への特化戦略などが奏功した。液晶パネルも、中国など新興市場の需要の伸びやパネル価格の上昇で、3100億ウォンの赤字から1500億ウォンの黒字に転換した。さらに、携帯電話を扱う情報通信部門も、売上高10兆400億ウォン、営業利益1兆ウォンと順調な伸びを見せた。
一方、LG電子の第2四半期連結業績は、売上高が前年同期比13・8%増の14兆4974億ウォン、営業利益は同32・4%増の1兆1330億ウォンとなった。売上高、営業利益ともに過去最高を記録し、四半期ベースの営業利益が1兆ウォンを超えたのも初めて。
とりわけ携帯部門は、同社営業利益全体の約半分となる5445億ウォンを稼ぎ出した。3カ月で270万台の販売実績を記録したクッキーフォンなどに代表される同社携帯の世界シェアは10%を超えたと推定されている。また、テレビ部門の営業利益は2236億ウォンで、前四半期(142億ウォン)の15倍に及ぶ。
不況に苦しむ自動車業界では、現代自動車が健闘している。第2四半期売上高が前年同期比11%減の8兆799億ウォンとなったが、営業利益は6573億ウォンで昨年第2四半期(6625億ウォン)の水準に回復、純利益も8119億ウォンとなり四半期ベースで過去最高を記録した。ウォン安を背景にジェネシスの米国進出が成功したことや、中古車の価格保証制度などの営業戦略が功を奏した。国内でも新車への買い替えを促す政府の税制支援が同社の業績を後押しした。