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2009/02/06

<韓国経済>対日赤字解消に総力

 韓国政府が、急激なウォン安・円高を活かし、対日貿易赤字の解消に向け総力を挙げて取り組む。知識経済部はこのほど、日本向け輸出企業の最高責任者(CEO)らと懇談会を開き、対日輸出の拡大戦略について話し合った。

 政府はまず、日本の流通市場への進出と部品素材分野の強化に向け、対日輸出企業のうち有望な中小企業100社を選び、生産資金やマーケティング面での支援を集中的に行う。

 また、今年6月と12月に、日本の大手流通企業を招き、韓国製品の販路開拓を行うほか、日本のインターネット通販で韓国商品の販売を行うほか、日本のインターネット通販で韓国商品の販売を行えるようにするなど、企業と共同で日本市場を攻略する具体案を決めた。

 知識経済部は、その案のひとつとして、貿易協会と共同で、国内企業の日本消費財市場進出を拡大するため、インターネット通販サイト「楽天市場」に国内メーカー41社を入店させる。

 日本の通販サイトに入店するには、日本国内に現地法人が必要なため、中小企業の場合は入店が不可能だが、今回の事業は、古くから日本で営業し現地事業の慣行に通じる対日輸出専門商社である巨山ジャパンが代表入店する形で可能となった。

 同社が、41社が扱う製品の取引や配送、決済、アフターサービスなど、すべての業務を代行することで、流通コストや入店費用の負担を軽減した。

 また、対日赤字の主要因となっている部品・素材分野では、基幹技術を確保し、部品素材の対日戦略輸出品目を発掘して支援を強化。日本のバイヤー向けに輸出商談会や部品素材産業展、輸出商談会などの開催を予定している。また、韓国の部品素材メーカーと日本企業による共同R&D(研究開発)や協力を促進する方針だ。

 このほか、ネットワークや技術力不足で対日輸出に苦戦している中小企業を支援するため、すでに日本国内に進出している韓国企業を「対日専門商事」として活用し、国内中小企業製品の日本進出を拡大する方針だ。

 それ以外にも、対日輸出企業に対する貿易クレーム保険や海外マーケティング保険、知識サービス保険など輸出保険の支援を拡大する。

 知識経済部によると、昨年は自動車・鉄鋼の輸入増加に伴い、日本からの輸入が8・4%増の610億ドルに達した半面、対日輸入依存度は前年の15・8%から 14%に下落。対日赤字の主要因となっている部品・素材分野では、対日依存度が24・4%から23・3%に減っている。

 知識経済部では、当分の間は円高が続くと見通しており、今が日本市場開拓の好機とし、今年は日本進出を拡大させ、対日貿易の赤字解消に総力を挙げる方針だ。