現代・起亜自動車グループが2009年度にも前年と同じ規模の9兆ウォンを投資する。環境に優しいエコカーの開発をはじめとする研究開発部門に3兆ウォン、現代一貫製鉄所建設など設備投資に6兆ウォンを投じる。世界的な景気後退の余波で多くの企業が苦しい経営環境を強いられているが、同グループは攻撃的経営戦略で危機克服と雇用創出に尽力する方針だ。
現代・起亜自グループは09年度投資計画として、燃費の良い車両やエコカーの開発に3兆ウォンを投じる。7月に国内でハイブリッドカーを発売した後、来年には米国輸出分を含め年間生産量を3万台に増やす。また、12年の商用化を目指して開発中の燃料電池車は国内外での試運転台数を現行の66台から100台まで拡大し、商品価値を高める。
エコカー開発に関しては「4大グリーンカー大国」入りを目標に定め、2兆4000億ウォンを段階的に投じ、開発スタッフも1000人まで増員する。エコカーの普及で情報通信(IT)、電機、電池など関連産業への投資が増えれば、雇用創出効果が来年には2200人に拡大し、4200億ウォンの生産誘発効果を生むことが見込まれる。
一方、来年4月に稼働する現代製鉄一貫製鉄所の建設には2兆ウォンを追加投資する予定だ。この事業を含め今年中に創出される直接・間接的な雇用は延べ318万人に達すると予想される。
また企業グループとして雇用の創出や中小企業との共生協力にも積極的に取り組む。若年失業者の解消と世界に通用するグローバル人材の育成に向けて、インターン社員1000人を追加採用する。さらにグローバル青年奉仕団として1000人を上半期と下半期に分けて海外派遣する。
今年から3年間で計100人あまりを採用する「グローバル・インターンシップ・プログラム」も、さっそく今月からスタートする。新規採用については経営環境を考慮して採用時期を操り上げるとともに、初任給削減などのワークシェアリングも積極的に検討している。
また、中小企業支援策としては、部品代金の現金決済をはじめ、部品メーカーと共同で原・副資材を購入することでコストの削減を図る。さらに中核部品の開発支援なども拡大する方針だ。
現代・起亜自グループは昨年、大手銀行などと共同で1300億ウォン規模の「共生協力ファンド」を造成した。今年は2700億ウォン規模の「協力保証ファンド」造成プロジェクトにも参加するなど、関連部品メーカーに対する流動性支援を続けていく方針だ。