現代自動車はサムスン電子の車載向け半導体と、LG化学の先端バッテリーを搭載した最先端の「知能型グリーンカー」開発プロジェクトに着手した。早ければ3―4年以内に商用化する。世界各国のメーカーでもエコカー開発競争が活発になるなか、韓国でも自動車とIT(情報技術)の融合をめざし、提携を深める動きが加速しそうだ。
3社共同プロジェクトは、自動車生産にサムスン電子やLG化学など国内最先端企業の技術を取り入れ、グローバル自動車市場における電子化とエコ化の流れに対応することが目的だ。そのため知能型グリーンカーは燃費を最大限に向上させつつ、ばい煙や二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの発生を抑制することが最大の課題となる。
今回のプロジェクトでは、運転者が居眠り運転をすると自動的に停止させたり、必要に応じて自ら駐車する安全運転機能も搭載した「知能型車両」をめざす。
このような車両の開発には、最先端のバッテリー技術と、車両内の各種データを分析したうえでエンジンなどを制御する車両用マイクロ・プロセッサーが必要になる。現代自が、サムスン電子、LG化学と「コリアン・ドリームチーム」結成へと動いたのは、このような理由による。
まず現代自は、液化石油ガス(LPG)を高圧噴射するLPI方式の小型車「アバンテLPIハイブリッド」(来月発売予定)に、LG化学製リチウムイオン電池を搭載する。また系列の起亜自動車「フォルテLPIハイブリッド」(9月発売)にも同バッテリーを搭載する予定だ。
このLG化学製リチウムイオン電池は、トヨタなどがハイブリッド車向けに採用しているニッケル水素電池より出力が50%ほど高い。経営破綻後に新スタートするニューGMも来年発売予定の電気自動車(EV)「シボレーボルト」にLG化学製バッテリーを採用するなど、その技術力は世界公認といえる。
一方、サムスン電子とは車載向け半導体の開発に関する協議を終え、開発に着手する時期を調整している段階だ。車載向け半導体は非メモリー半導体の一種で、自動車の基幹部品となる。
サムスン電子も、付加価値が高く将来性のある車両用半導体市場に関心を示しているといわれる。知識経済部関係者は「これまで積み重ねてきた技術力を考えると、今後1~2年以内にサンプル車が完成するだろう」と展望した。
米ATカーニーなどのコンサルティング会社は、2020年ごろにはハイブリッドカーや燃料電池自動車などのエコカーがクルマ市場の60%以上を占めると予測している。世界最大の自動車市場に急浮上中の中国でも、40%に迫る見通しだ。
一方、環境保全協会主催の「第31回国際環境技術展(ENVEX2009)」がソウル・COEXで9日から12日まで開催され、現代起亜自のアバンテ、フォルテなどのLPIハイブリッドカーが展示された。また、ハイブリッド型軽乗用車が発売されるなど、韓国でも急速にエコカーへの関心が高まっている。