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2009/10/16

<韓国経済>韓国政府・電気自動車普及に本腰

  • 韓国政府・電気自動車普及に本腰

    韓国政府は「4大電気自動車大国」入りをめざし技術開発を支援する(現代自が開発した電機自動車「i10」)

 韓国政府は2011年下半期から電気自動車を普及させるため、自動車メーカーや購入者に対する財政支援を行う方針を決めた。バッテリーなど中核部品や素材の開発に2014年まで4000億ウォンを支援し、コストダウンを促すとともに、公営駐車場への充電所設置などインフラ整備も進める。これにより2020年には国内小型車市場での電気自動車普及率を10%以上に高める戦略だ。

 崔炅煥(チェ・ギョンファン)知識経済部長官はこのほど、京畿道(キョンギド)・華城(ファソン)の現代・起亜自動車技術研究所で開かれた李明博(イ・ミョンバク)大統領主宰の非常経済対策会議で、電気自動車の量産開始時期を2年前倒しすることなどを盛り込んだ「電気自動車産業活性化案」を発表した。韓国政府と自動車業界は当初、電気自動車の需要が不透明で技術開発が遅れているなどの理由で、量産時期を2013年以降に設定していた。

 ところが、日本の三菱自動車が7月、世界で初めて量産向けの次世代電気自動車「アイミーブ(i-MiEV)」を発売したのに続き、米GMと中国BYD(比亜迪、広東省)も電気自動車の来年発売を決めた。さらに各国政府も研究開発費の支援や、購入補助金の支給、税額免除などの支援策を行っている。

 このため、韓国政府も量産時期を早めるとともに、開発が遅れている部品開発の支援を強化することを決めた。具体的には、核心部品とも言えるバッテリー開発に550億ウォンを支援するとともに、駆動モーター、インバータやコンバーターなどの電力モジュール、車両搭載型の軽量充電器などの開発を支援する。特に2000万ウォンを超える高価なリチウムイオンバッテリーに代わる低価格の新型バッテリー開発を急がせる方針だ。

 また、部品メーカーの情報網「グリーンネットワーク」を活用し、年末までに電気自動車に関する戦略部品30品目と育成対象のメーカー50社を選び、長期的に財政面で支援する。

 同時に、法改正を通じたインフラ整備と電気自動車普及のための支援策も強化する。特に中核部品に関連する技術開発を行う企業に対しては、新成長動力産業と源泉技術分野のR&D(研究開発)税額控除対象企業と認め、法人税から20~25%を控除する。中小企業に対しては控除幅を30~35%に拡大する。

 さらに政府はエネルギー効率に関する情報を提供するため、電気自動車にも燃費(㌔㍍/㌔㍗時)の概念を導入する。これは、走行中にバッテリーから流れる電流量で電力使用量と走行距離を測定して燃費を表示する仕組みだ。

 このほか、公営駐車場と共同住宅に充電所を設置できるよう駐車場関連法を2011年までに改正する。百貨店や市場、高速道路のサービスエリアなどに充電所を設置する業者には、費用の一部を低利で援助する。

 量産が始まる2011年下半期からは、電気自動車を購入する公共機関に1台当たり2000万ウォン前後の補助金を支給し、2014年までに2000台以上を普及させる。一般消費者に対しても、ハイブリッドカーへの税制支援(限度額270万ウォン)のような奨励制度を検討する。