ここから本文です

2009/10/30

<韓国経済>韓国大企業第3四半期・不況脱し回復基調鮮明に

  • 韓国大企業第3四半期・不況脱し回復基調鮮明に

    自動車業界は輸出先での産業支援策を追い風に現代・起亜自動車が北米などで快進撃を続けている

 韓国大企業の第3四半期(7―9月)業績は、昨年の世界同時不況による落ち込みから脱し、回復へと向う流れが鮮明になった。なかでも主力産業の自動車では、現代自動車の世界販売台数が82万台となり過去最高益を記録した。電子分野でもハイニックス半導体が需要増により2年ぶりに黒字転換するなど、好調が続いている。

 自動車業界は、輸出先での自動車産業支援策を追い風に、現代・起亜自の販売好調が持続した。

 現代自動車の第3四半期(7-9月)決算は、売上高が前年同期比33・8%増の8兆984億ウォン、営業利益が同461・5%増の5868億ウォン、純利益が同269・8%増の9791億ウォンとなり、前四半期(4-6月)に続き過去最高益を更新した。6月末に政府の個別消費税引き下げ措置が終わり、国内販売は前期比1万台減となったが、中国やインド、米国など海外での販売台数(輸出と現地生産の合計)が5万台増えた。

 起亜自動車の第3四半期決算は、売上高が同31・6%増の4兆5093億ウォン、営業利益が同483・8%増の3135億ウォン、純利益が過去最高の4020億ウォンを記録。国内販売の活性化とコスト削減の努力が奏功した。

 一方、半導体メモリー世界2位のハイニックス半導体の第3四半期(7~9月)連結業績は純利益が2460億ウォンで、8四半期ぶりに黒字化した。パソコンの小型・高性能化に伴い、消費電力が少ない新型DRAMの「DDR3」の需要が拡大した。DRAMの平均販価は4~6月期に比べ26%上昇し、出荷量も同12%増となった。NAND型フラッシュメモリーの価格も上昇し、収益を押し上げた。

 売上高は前年同期比15%増の2兆1180億ウォンで、営業利益も2093億ウォンで2年ぶりの黒字となった。第4四半期は、54ナノ㍍級(1ナノは10億分の1)DRAMの生産を大幅に増やすとともに、年末から44ナノ㍍級製品を量産し、後発メーカーとの技術格差をさらに広げる戦略だ。

 サムスングループでは、増収増益となるサムスン電子のほか、サムスン電機とサムスンSDIが市場の予想を上回る良好な実績を残した。

 サムスン電機の第3四半期連結業績は、売上高が前年同期比30%増の1兆5487億ウォン、営業利益が235%増の2070億ウォンで、2四半期連続で過去最高を記録。ウォン高や原材料価格の上昇にもかかわらず、携帯電話や液晶テレビメーカーからの受注が増えた。

 サムスンSDIも、2次電池の需要拡大により、売上高が前四半期比13・5%増の1兆3474億ウォン、営業利益が同82%増の881億ウォンで、予想を上回る増益となった。電池事業部門の売上高が5740億ウォンとなり、主力事業のプラズマ・ディスプレー・パネル(PDP)の販売実績を初めて上回った。

 また、LG電子の第3四半期連結業績(売上高13兆8998億ウォン、営業利益8502億ウォン)は、前四半期より多少減少したものの、本社ベースでは売上高7兆8657億ウォン、営業利益6028億ウォンで、第3四半期としては過去最高となった。

 同社では液晶テレビと携帯電話の販売台数が過去最高を記録した。テレビ部門は液晶テレビの販売好調(401万台)を受け、売上高は前四半期比9・3%増の4兆9285億ウォン、営業利益は同14%増の2548億ウォンとなった。第4四半期も、テレビと携帯電話が繁忙期を迎え、売上高も前年同期より小幅に増加する見通し。