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2009/12/18

<韓国経済>サムスングループ・創業以来最大の役員人事

  • サムスングループ・創業以来最大の役員人事

    年末の大型人事で創業者3世の李在鎔専務(中央)がサムスン電子副社長に昇進した

  • サムスングループ・創業以来最大の役員人事

                 日本サムスン 尹 晋赫 新社長                  

 サムスングループが、新年を前に創業以来最大規模の人事を断行した。李健熙(イ・ゴンヒ)・前会長の長男、李在鎔専務(イ・ジェヨン、41)がサムスン電子副社長に昇進するなどグループ全体で副会長2人、社長10人、副社長32人、専務88人、常務260人が昇進、役員人事は今年1月の247人を上回る380人の過去最高の異動となった。李在鎔氏は新設ポストのCOO(最高執行責任者)としてCEO(最高経営責任者)を補佐し、各事業間の調整や海外取引など、経営全般で重責を担う。財閥グループで2世から3世の経営者への移行が進むなか、サムスンでも「経営の世襲」に向けた体制固めが進んだ。

 今回の役員人事は在任期間が長い社長らを退陣させ、50代の社長を増やすなど、世代交代をさらに加速させた点が目をひく。また、副社長と専務の昇進者数を過去最大とすることで、将来的にグループを率いるCEO候補群に厚みをもたせた。

 社長団人事では昇進12人を含む23人が異動となった。グループ中核のサムスン電子では李在鎔氏の昇格に合わせ、完成品(DMC)部門長を務めていた崔志成(チェ・ジソン)社長がCEOを兼務する。また、完成品部門と電子デバイス(DS)部門の2部門体制を廃止し、崔社長が全事業を統括する方針を決めた。同時にDS部門長を務めてきた李潤雨(イ・ユンウ)・サムスン電子副会長が理事会議長に異動となり、今後は対外協力業務の支援などに専念し、事実上、経営の第一線から退く。

 崔社長は李在鎔氏の側近と言われており、崔社長が全事業を総括することで、サムスン電子では崔志成-李在鎔の2トップ体制が本格的に構築される。将来的には李氏への経営継承を円滑に進めるための布石といえる。

 また、今回の人事でサムスンSDIの金淳澤(キム・スンテク)社長がサムスン電子の副会長に昇進し、新事業推進団長に就いた。2次電池などの新事業を立ち上げ、ブラウン管中心のディスプレー産業をグリーンエネルギー企業に変貌させた実績が認められた。今後は、バイオ分野など、新事業発掘に力を注ぐ。

 サムスンカードの崔道錫(チェ・ドソク)社長もサムスン電子の副会長に昇進した。資産の健全性向上と収益性の改善に努力したことが評価された。また、李相大(イ・サンデ)・サムスン物産副会長がサムスンエンジニアリング副会長に、金澄完(キム・ジンワン)・サムスン重工業副会長が同社代表理事職から外された。

 このほかサムスン電子では、申宗均(シン・ジョンギュン)副社長が無線事業部長(社長)、趙秀仁(チョ・スイン)副社長が半導体部門長(社長)、金奇南(キム・ギナム)・副社長がサムスン総合技術院長(社長)、李相勲(イ・サンフン)・副社長が事業支援チーム長(社長)に昇進した。サムスン電子に統合されるサムスンデジタルイメージングの朴相鎮(パク・サンジン)副社長が社長に昇格し、デジタルカメラ事業のグローバル化を引き続き推進する。役員人事では李前会長の娘婿、任佑宰(イム・ウジェ)・サムスン電機常務と、二女の李敍顕(イ・ソヒョン)・第一毛織常務も専務に昇進した。


◆日本サムスン社長に尹晋赫(ユン・ジンヒョク)副社長◆

 今回の役員人事で、日本サムスン社長に尹晋赫副社長(56、モバイルLCD事業部長)が就任する。尹新社長はイタリアの自動車部品メーカーへの納品契約などの実績を残した。李昌烈(イ・チャンニョル)・現社長は、サムスン社会奉仕団社長に内定した。