2040年には韓国の経済規模が世界10位に上昇し、一人当たりGDP(国内総生産)は6万ドルに達する――。国策研究機関の韓国開発研究院(KDI)がこのほど、青瓦台(大統領府)で開かれた李明博大統領主宰の第7回未来企画委員会で、今後の経済運営に対する提言「未来ビジョン2040」の内容について報告した。
玄旿錫(ヒョン・オソク)・KDI院長は「韓国の経済規模は昨年の12位から2040年には10位へと上昇し、一人当たりGDPは2040年に6万㌦台へ増加する」との見通しを発表。GDPは昨年の9630億㌦から2040年には2兆7900億㌦に増え、一人当たりGDPは同期間に1万9761㌦から3倍まで増えることで大幅にランクアップ(41位→23位)するという予測だ。
玄院長は「人口増加率の下落などで、韓国経済の長期的下落傾向が予測される」としながらも、「核心分野を中心としたシステム改革によって『革新‐統合‐開放』の好循環に基づいた成長が実現すれば、生産性向上とともに経済規模と所得水準が長期的に上昇する見通しだ」と説明。高齢化や資源枯渇などが進むなか、韓国経済の持続的成長のためには量的投入よりも質的成長のためのシステム改革が求められると強調した。また、そのためには社会基盤の開放、グローバルな人材と成長を牽引する科学技術の育成、持続可能な福祉体制を構築する必要があると指摘した。
KDIは、韓国の経済成長率(GDP増加率基準)は2010年代に年平均4・1%、2030年代に2・8%、2040年台に1・7%へと段階的に低下する。そのため経済を再活性化させる鍵は労働力の拡充にあると分析している。玄院長は「複数国籍の容認、海外の優秀人材の受け入れ、移民及び女性人材の活用が課題」だと語った。
これによって労働投入量をOECDの平均水準に引き上げれば、韓国のGDP成長率は、2011年~40年に年平均2・9%から3・5%へ伸びるという。一方、福祉支出の急増が続けば、国家債務比率は2013年の35・9%から2040年には110%へ上昇することが予想され、財政支出の増加は国家債務の増加を招くことから、政策の再検討が求められる。
玄院長は「2040年にはグローバル・メガトレンドの変化に迅速に対応し、国家発展の機会となる要因を極大化するべき」だとし、「高齢化、技術発展の加速化、地球温暖化や資源枯渇、政治環境の多元化など、環境変化への能動的な対応は、韓国の生存に直結する」と述べた。韓半島を「超グローバル経済圏時代」の中心として発展させようというわけだ。
この経済圏は、労働、商品、資本などが国家間を自由に移動する経済空間である。韓半島を「無規制、無関税、無言語障壁」の国家的な経済自由区域にする計画で、特に先端産業の中枢拠点として、西海岸の新万金の開発が注目されている。
玄院長は「量的成長の限界を克服し、質的な飛躍によって成長の基盤を新たに整備する時期だ」と付け加えた。