ここから本文です

2010/12/28

<韓国経済>2011年韓国経済予測・成長率、昨年下回る4%台に

  • 2011年韓国経済予測・成長率、昨年下回る4%台に

 韓国銀行は2011年経済見通しの中核内容を「上低下高」と表現した。来年のGDP(国内総生産)成長率は、上半期は低く、下半期は高まるということで、例年とは違った経済状況になると予想した。また、金融危機を克服する過程で、ベース効果が大きく作用し、今年は6.1%の高い成長率を記録するため、「来年の成長率4.5%を景気鈍化と解釈してはいけない」としている。韓国銀行、政府系シンクタンクおよび、民間シンクタンクの分析をもとに、2011年の韓国経済を予測する。

 世界の主要経済展望機関は、2011年の韓国経済成長率を下方修正するなか、韓国銀行は今年の成長率を4・5%と予測した。

 来年の景気は今年よりも緩やかではあるが、上昇を維持できると予想している。

 韓国銀行は昨年の経済成長率6・1%から、今年は4・5%とやや低く設定した。

 第1四半期(1~3月)4・0%、第2四半期(4~6月)3・7%、第3四半期(7~9月)4・4%、第4四半期(10~12月)5・6%成長すると予想している。

 例年と違い、上半期は政府の早期財政執行による効果があまり期待できないが、下半期に入ると米国などの先進国の景気が本格的に回復し、経済成長率を引き上げると見込んでいる。

 韓国銀行が今年の経済成長力に選んだのは内需と輸出で、この2つの同時成長が可能だと説明している。

 政府部門の成長貢献度は、例年と同じ0・7%に留まるが、内需は2・5%、輸出は2・0%を記録すると指摘している。

 物価は、昨年よりも今年のほうがより一層大きくなるものと見られる。 消費者物価の上昇率予想値は、上半期3・7%、下半期3・3%を記録し、年間3・5%の上昇率となると予想した。

 また、2012年の消費者物価上昇率は3・2%と見込んでいる。これは韓銀の実質的な物価安定目標値である3%をはるかに超える数値だ。

 国際原材料価格などの上昇が、今年の物価上昇の要因となると見込んでいる。特に単純な物価上昇率よりも、需要の側面で表れるインフレ率(消費者物価で穀物以外の農産物と石油類を除いた物価指数)に注目しなければなければならないとのことだ。

 韓国銀行の金仲秀総裁は「今年のインフレが賃金の引き上げなどで、3・1%に上がるかもしれないというのが少し心配だ。昨年11月に輸入物価が6カ月ぶりに最高値に上昇したことについて、通貨政策で対処する必要があるとは断定できない。物価上昇については、総合的な対策が必要だ」と話した。

 また、韓国銀行は、物価は供給面ではコントールはできないが、時間が経つにつれ、需要が圧力になるとしながら、供給面での物価上昇を見過ごすことはできないとしている。

 一方、マイナス成長だった建設への投資は、非住居用建物の建設が増えることで、増加に転換すると予想される。

 だが、その幅は1・4%の小幅増と判断した。韓国銀行は、不動産市場の場合、住宅価格の下落の勢いがストップした状態としながら、小型住宅を中心に価格上昇の勢いを見せているが、小型住宅を中心に価格上昇の勢いを見せているが、その負担が大きいことから上昇幅は制限されるだろうと判断している。

 経常収支の黒字規模は、昨年の290億㌦から180億㌦に縮小すると予想した。これは輸入が、輸出よりも大きく拡大し、商品収支の黒字が減るためだ。経常収支黒字のGDP率は、昨年の3%から、来年は1%台に下落すると見込んでいる。

 今年の就業者数は民間部門を中心に26万人増加すると予想した。失業率は昨年の3・8%から、今年は3・5%に下落するとしている。

 また、2010年の就業者数は28万人増加すると予想しており、失業率も3・4%になると見込んだ。

 韓国銀行は「今年は主要IT企業が市場の占有率を高め、積極的に投資することで、設備投資が当初の予想より大幅に増加すると見込んでいる。民間消費と家計の購買力も増大、消費者心理も好調と予測している。一方で、北朝鮮の延坪島砲撃に沿った地政学的リスクとともに、対外的にはEU地域の財政問題、中国のインフレ、米国基準による追加緩和措置以降の通貨政策などの不確実性も内在している」と話した。