全国経済人連合会(全経連)の報告書によると、売上高上位600社(金融、保険を除く)の2010年設備投資額は106兆609億ウォンで前年比33・2%の増加となり、過去最大を記録する見通しとなった。年初の投資計画(100兆7138億ウォン)に比べても5・3%多い。
財界が例年より大幅な投資を進めているなか、国内主要企業の今年の設備投資額も増加傾向にある。不況下で企業投資を促進させるため、設備投資額の一部を所得税または法人税から控除する「臨時投資税額控除制度」が来年から廃止されることで、「駆け込み需要」が高まっていることも背景にある。
サムスン電子は、京畿道(キョンギド)・華城(ファソン)で半導体16ラインを、忠清南道(チュンチョンナムド)・湯井(タンジョン)でLCD(液晶表示装置)第8世代の新規ラインを建設中だ。同社は今年の18兆ウォンの設備投資計画を着々と進行させている。
ポスコは、浦項(ポハン)第4高炉の改・補修工事(投資額5600億ウォン)を終えたのに続き先月、投資額1兆8000億ウォンの光陽(クァンヤン)厚板工場を竣工した。現在は、浦項第2連続鋳造工場の設備投資が行われている。
今年の設備投資を業種別にみると、製造業は半導体、電子機器、自動車及び部品などの投資拡大によって、前年比45・4%増加の67兆4768億ウォンとなる。
非製造業は運送・倉庫業、卸・小売業などの投資が好調で、同16%増の38兆5841億ウォンに達すると見込まれている。
今年上半期の設備投資は、前年同期比27・2%増の45兆5899億ウォン。製造業は同39・9%増の29兆1694億ウォンであり、非製造業は同9・6%増の16兆4205億ウォンとなっている。下半期は、前年同期比38・1%増の60兆5000億ウォンに及ぶ設備投資が進行すると見られている。これは上半期より15兆ウォンほど多く、来年以降に臨時投資税額控除制度を廃止するとした政府決定が大きく影響している。企業が臨時投資税額控除制度の恩恵を受けるために、来年の投資の一定部分を今年下半期に繰り上げたためだ。したがって、来年の企業投資の増加率は鈍化すると予想されている。
全経連関係者は「対内外の経済環境が不安定な状況で、臨時投資税額控除制度の廃止となった場合、来年は企業の投資意欲の縮小が憂慮される」とし、臨時投資税額控除制度を現行通り維持するべきだと指摘した。
一方、全経連報告書では、大企業600社は、投資活性化のために政府の金融・税制支援の拡大(26・2%)、拡張的なマクロ経済政策を下半期にも維持(21・4%)する必要があるとの認識を示している。