韓国大企業の設備投資額が今年、過去最高の103兆1910億ウォンを記録する見通しだ。全国経済人連合会(全経連)はこのほど、金融・保険会社を除く上位600社(売上基準)の投資動向を調査した結果、設備投資額が昨年の88兆2475億ウォンを16・9%上回るとの予測を発表した。景気回復への期待から投資心理が急速に回復していると全経連は分析している。
韓国企業の主な輸出先となる海外市場では消費心理が回復している。このため、各企業は年間設備投資計画の53%を上半期中に執行する方針だ。
業種別では、製造業が半導体と自動車・部品部門の投資拡大で前年比19・2%増の44兆1438億ウォン、非製造業は放送・映画、レジャー・建設部門など事業好調で15・3%増の59兆472億ウォンと予想された。
特に半導体部門が絶好調で、設備投資が昨年の2倍に拡大する。取引先からの引き合いが増えているため、生産設備の増強を急いでいる。
電子機器部門では、スマートフォン(多機能携帯電話)市場の拡大や、中国での3G携帯電話の需要増に応えるため、設備投資を52・2%増やす。海外受注が好調な自動車と同部品部門も、生産設備の拡張や未来型エコカー開発予算などで53・7%増やす計画だ。
ただし、造船・運送装備部門は船舶受注減少の影響で、投資額を36・6%減る。鉄鋼・非鉄金属部門も6・9%の減額が避けられない見通し。
非製造業では、放送・映画・知識サービス部門が投資を前年比91・6%増額する。大企業や新聞社に放送局の設立を認めるメディア法の成立や、3D(3次元)テレビ放送の活性化などで、関連産業が強気の投資計画を打ち出している。宿泊・飲食・レジャー産業でも、70・2%増額する。
今回の調査では、60・5%の企業が今年の投資を左右する経済的要因として「景気回復速度」を挙げた。その一方で、投資に慎重な企業では、「景気低迷に伴う需要不振」(49・4%)を懸念している。景気が回復に向かっているものの、業種ごとに温度差があり、企業ごとに投資環境も異なることが浮かび上がった。
一方、600社の昨年の設備投資総額は、前年比2・4%減の88兆2475億ウォンにとどまった。製造業部門の投資額が前年比20%減ったことが影響した。経済専門家は、「設備投資の多くが海外に向けられており、国内の就職難解消に貢献していない」と指摘した。