現代自動車、現代重工業、ハイニックス半導体などが第1四半期(1―3月)に市場の予想を大きく上回る実績を上げた。金融監督院と証券情報提供業FNガイドによると、先週までに業績を公開した上場企業37社の営業利益は総額6兆9091億ウォンで、市場予測(6兆5024億ウォン)を4067億ウォン(6・3%)上回った。上場企業10社中4社が市場の予想を超える実績を挙げたことになる。
現代自動車、現代重工業、ハイニックス半導体などの営業利益は、株式市場の予測をそれぞれ1000億~2000億ウォン上回った。LG化学もアナリストの予想を2000億ウォン余り上回ったほか、サムスン電子も1カ月前の予想より1兆ウォン多い営業利益を確保した。
現代自動車は海外法人と子会社など持ち分法適用会社の株式評価損益が改善されたため、純利益が創業以来最大となる1兆1272億ウォン(前年同期比401%増)を記録した。対ドルレートがウォン高に振れるなか、自動車の販売台数が前年同期比25%増の39万7646台を記録、売上高も同39・6%増の8兆4182億ウォンに達した。
ハイニックスの売上高は2兆8214億ウォン(連結ベース)で、昨年第4四半期(10~12月)に記録した最高実績(2兆7991億ウォン)を超えた。IT(情報技術)産業は年末に需要が集中するため、第1四半期は閑散期となるのが通例だが、今年はDRAM価格の上昇などで過去最高の売上を記録した。営業利益も前四半期比13%増の7991億ウォンで、市場予測の7700億ウォンを上回った。
現代重工業とサムスンエンジニアリングは海外プラントの受注増で好業績を残した。現代重工の営業利益は、船舶需要の増加と非造船部門の収益性改善により前年比86・8%増の8809億ウォンを達成した。サムスンエンジニアリングも化工プラント部門の売上拡大により、営業利益が過去最高の1092億ウォンを記録した。造船市況は先行き不透明な状況だが、両社とも2~3年前に受注した船舶とプラント部門の売上が実績に反映したほか、コスト削減努力により収益性を改善した。
当初市場では、対ドルレートがウォン高に振れていることや、世界経済の不透明性などを理由に、企業実績については慎重な見方が多かった。しかし、当初の予想よりも、需要が堅調だったことが好業績につながったと企業側は分析している。この流れは第2四半期(4~6月)まで続くとの見方が多い。
テレビやディスプレーなどの工場では、部品調達が間に合わず、支障が出るほど、受注が増えている。半導体メーカーは、テレビに使われるグラフィックメモリーやタイムコントローラーの調達に苦労している。液晶パネルメーカーも「二重輝度向上フィルム」(DBEF)などが品切れ状態となり、生産に支障が出るほどだという。
一方で、▽ウォン高の進展▽主要品目の供給過剰▽主要先進国の出口戦略断行などが予想されるため、いまだ景気を楽観できる状況になっていないと指摘する声もある。