韓国がカザフスタンの北西部アクチュビンスク州にあるアダ(ADA)鉱区で、2日から原油生産を開始した。韓国石油公社は、アダ鉱区開発の成功を受けてアルマティでこのほど生産施設の竣工式を開催し、本格的な原油生産となった。
アダ鉱区の原油埋蔵量は推定3570万バレル。韓国石油公社が40%の株式を保有し、アダ鉱区を直接運営している。そのほかLG商事が35%、カザフスタンのベルトム社が25%を保有している。
韓国石油公社は2005年11月から探査に参加し、06年5月に試掘(ボーリング)に成功。昨年7月から日量2000バレルの試験生産を行ってきた。国内の企業が中央アジアで探査段階から参加し、開発に成功したのは初めてのこと。
以後、韓国石油公社は生産施設の建設に着手し、今年4月に完工した。韓国石油公社はアダ鉱区の一日当たり生産量を今年末に4000バレル、2012年には7500バレルへと段階的に増やす計画だ。
アダ鉱区の油田埋蔵量は金額換算で5億6600万㌦。このうち、韓国石油公社は、4億2450万㌦相当を保有する。韓国企業(韓国石油公社とLG商事)は2027年まで3億5325万㌦を投資し、7125万㌦の収益を上げると期待されている。
アダ鉱区で生産された原油は、現地市場で販売するほか、ロシアや中国などへ輸出される。韓国石油公社によると、同鉱区から海上へ出るインフラがなく、直接韓国に輸入することは難しいという。韓国の原油輸入量は昨年末の基準で一日289万バレル。このうち、韓国資本で生産する分量は26万バレルだ。
アダ鉱区の生産規模は一般的な鉱区の10分の1水準で、多いとはいえない。しかし、アダ鉱区は探査段階から参与して開発に成功した初の陸上油田という点で意義が大きい。
いままで国内の企業が開発に成功した例は、ベトナムの海上油田の15-1鉱区と15-2鉱区の2カ所のみだ。知識経済部の関係者は「油田開発の探査成功率は非常に低い。そのため、すでに生産された油田の持ち分を買い入れるケースがいままで多かった」と説明する。また、アダ鉱区開発の成功によって探査技術はもちろん、陸上油田の運営経験も得られたとつけ加えた。