LG電子が太陽電池事業を本格的にスタートさせる。慶尚北道亀尾(キョンサンブット・クミ)市でこのほど年産12万キロワットの生産ラインの竣工式が行われた。来年1月には生産ラインを追加して24万キロワットに引き上げる。LGは年内生産する太陽電池の販売契約が完了するほど引き合いが強いため、追加投資を行う計画だ。
竣工式で南鏞(ナム・ヨン)副会長は「次世代の代替エネルギーとして脚光を浴びているグリーンエネルギー分野のパイオニアをめざす」とし、亀尾の生産ラインが"前哨基地"の役割を果たすことを強調した。太陽電池事業を展開するにあたり、LG電子はグループ全体の垂直連携体制を構築した。LGの非上場会社であるシルトロンは太陽電池用ウエハーをLG電子に供給し、LG化学はシリコン系太陽電池の原料となるポリシリコンの生産体制を準備中だ。LG CNS社は太陽光発電所の建設を担っている。
LG電子は2008年末から亀尾工場のPDPモジュールA1ラインを太陽電池生産ラインに転換する作業を進めてきた。既に年初からシリコンウエハーを利用した結晶型方式の太陽電池セルとモジュールを生産しており、国内販売と欧州に輸出している。12万㌔㍗級とは、4万世帯が1年間使用できる電力量に相当する。LG電子は量産から4カ月で太陽電池モジュールの製造収益率を98%に引き上げ、最大市場の欧州で好評を受けた。今年の生産分12万㌔㍗に対する契約は、ほぼ完了している。2015年までに太陽電池事業へ1兆ウォンを投資し、売上3兆ウォンという構想を打ち出している。
LG電子が太陽電池の生産ラインを構築したことで、LG化学のポリシリコン事業への進出が年内に早まる可能性が高くなった。ポリシリコンの円滑供給が、太陽電池生産の要になるからだ。
業界関係者は「LG化学は数年前から同分野に対する研究を進めてきた。市場はLG化学がポリシリコン生産に参入する体制が整ったと判断している」と評価する。
これまでポリシリコン市場では、中国系などの中小業者が乱立し製品価格が急落する危険があったため、LGは事業進出の時期を探っていた。その機会は、世界金融危機以降に訪れた。ポリシリコン業界は深刻な打撃を受け、製品価格の下落が加速化した。その価格が最近、底を打って上昇しだしたのだ。LG化学の事業開始もそう遠い話ではない。
LGグループ内部で太陽光発電所の建設と技術支援を担当しているLG CNS社の動きにも勢いがつき始めた。技術力に定評があるポリティクステクノロジーとMOU(了解覚書)を締結し、LG電子の太陽電池事業を側面支援する準備を整えた。ポリティクステクノロジーは太陽電池の製造設備や自動化分野で高い競争力をもつことから、今回の提携で、LGグループの太陽電池事業は一段と弾みがつくだろう。