ここから本文です

2010/08/13

<韓国経済>ベンチャー投資活況・海外から年内1100億ウォン規模に

  • ベンチャー投資活況・海外から年内1100億ウォン規模に

 韓国のベンチャー企業に海外からの資金が押し寄せている。米国、アジア、欧州、中東などの投資ファンドが相次いで韓国市場に進出しており、対象分野もITやバイオ技術、新再生エネルギーなど、未来の成長事業へと広がりを見せている。

 韓国企業に対する海外ファンドの投資規模は今年、最大1100億ウォンを記録すると見られる。これは昨年(232億ウォン)の5倍近い金額で、2000年代の「ベンチャーバブル」以来、最大規模だ。

 ベンチャーキャピタルや私募ファンドなど関連業界によると、中国のオンラインゲーム最大手のSNDAは、韓国のゲーム関連企業への投資のためファンド会社を探している。SNDAは韓国でファンドを創設し、有望なゲーム会社の持株を取得する計画だ。SNDAと競争関係にある中国のゲーム会社テンセントは、すでに韓国のベンチャー投資ファンド「キャップストーン・パートナーズ」に245億ウォンを出資し、国内のゲーム関連企業への投資を本格化させる準備を進めている。

 ベルギーに本拠を置く世界的化学メーカーのソルベイは、亜州グループ傘下の投資会社の亜州IB投資と400億ウォンの投資ファンドを創設した。米国のITメディア大手IDGも、韓国法人を通じて最大800億ウォンのファンド創設を決定した。

 韓国のベンチャー市場には、今年に入り計755億ウォンの外資が投入された。ベンチャー企業への投資規模は通常10億~20億ウォンだが、その点を勘案すると、外資が投入されたベンチャー企業の数は60社に達すると推定される。

 外国の投資が増えたのは、ITなどで優れた技術力を持つ韓国企業が増えたためだ。また、中小企業庁が工場設備や試験場などを支援するインキュベーションファンドを通じて、共同出資したことも、追い風となった。韓国ベンチャー投資の関係者は「外資がファンド全体の30%以上出資した場合、インキュベーションファンドから最大25%を支援する」と説明している。

 国内資本による投資も活発だ。中小企業庁によると、上半期の国内資本のベンチャー投資規模は前年同期比30・9%増の4148億ウォン。政策金融機関と韓国ITファンドに加え、国民年金などが約9000億ウォンをベンチャーファンドに出資している。下半期には、投資規模がさらに拡大すると見込まれる。