半導体、ディスプレー、鉄鋼、石油化学など韓国の主力輸出業種は、第4四半期に入るや否や「赤信号」が点滅している。サムスン電子、ポスコ、SKエネルギーなど代表的企業の第4四半期(10―12月)の営業利益が減少すると懸念されているためだ。主要輸出市場である欧米の景気が遅々として改善せず、輸出が縮小し、加えてウォン高による収益性悪化が深刻化するとみられている。
韓国貿易協会が国内961の輸出関連企業を対象に分析した「第4四半期の輸出産業景気見通し(EBSI)調査」によると、第4四半期のEBSIは109・1だった。
この数値は今年第2四半期(4~6月)に128・4でピークとなり、第3四半期(7~9月)に116・5へ下落した。第4四半期は、さらに7・4㌽下がった。
ウォン高が続けば、企業の価格競争力低下とともに、採算性の悪化が憂慮される。
ある財界関係者は「海外市場の需要委縮により、一部の企業は在庫管理とリスク管理に乗り出した。為替対策チームを設置する企業も出始めた」と伝えた。
半導体業界は、製品が不足した今年前半期には安定的供給に奔走したが、最近では半導体価格が下がり、海外の営業活動に全力を傾けなければならない状況となった。
1㌐ビットDDR3DRAM半導体の価格は、今年第2四半期に1個当たり2・81㌦に上昇したが、第3四半期には2・44㌦に下落した。
LCDパネルは、さらに深刻だ。今年6月からLCDパネルの供給過剰現象が表れ、価格が下落。LCDテレビ用の32㌅パネルの価格は3月に208㌦水準だったが、10月に入ると163㌦へ下落。在庫の増加により、減産も続いている。LGディスプレーは今年7月頃から工場の稼働率を90%台に引き下げた。
LG電子の状況は暗鬱だ。同社はスマートフォンで遅れをとり、今年第2四半期から急激に実績が低下。第3四半期には営業赤字となり、第4四半期も大きな改善は難しいとの分析も出ている。電子関連業種の特性上、第4四半期にはマーケティング費用の上昇によって営業利益が減少するためだ。
鉄鋼会社のポスコは、第3四半期に製品価格の上昇で売上を伸ばしたものの、営業利益は大幅に低下したとみられている。
証券市場は、第3四半期の営業利益について、前四半期比20~30%減と予想している。第4四半期の実績も良くない見通しだ。
高額で購入した原材料が、第4四半期に本格的に投入されるためだ。ポスコの第4四半期営業利益が1兆ウォンを超えるのは難しく、営業利益率は一ケタを記録することもあると憂慮されている。
石油業界の場合、SKエネルギーの営業利益が4300億ウォン台で前四半期(5796億ウォン)比およそ25%減となる見通しだ。急激なウォン高のため、同社は為替管理委員会の活動を強化している。