韓国政府は、京畿道(キョンギド)・富川(プチョン)大学で李明博(イ・ミョンバク)大統領主宰の「第10回国家雇用戦略会議」を開き、青年の失業解消に向けた「青年の明日づくり」プロジェクトを推進すると発表した。2012年までに、公共機関を中心に7万1000人の雇用創出に取り組む。また、2020年までに原子力などのエネルギー分野で、2万4000人の新規人材を育成する。
「青年の明日づくり」プロジェクトの柱は、創造的な雇用拡大、新成長分野の育成、公共機関の先行的雇用創出だ。
政府は、2020年までに原発輸出及び国内での原発の追加建設に必要な人材が2万3900人に達するという判断のもと、専門人材を育成する方針だ。中小・中堅企業のインターン制度も拡充し、雇用創出企業に対する金融支援を強化する。これに伴い、今年2兆ウォンだった特例保証規模を来年は4兆5000億ウォンへ拡大し、中小・ベンチャー企業を支援する「雇用ファンド」が1200億ウォンで創設される予定だ。
政府は、斬新なアイディアをもつ青年の創業などを積極的に支援する考えだ。そのために、来年には文化、観光、芸術など青年層に関心が高い分野で2000人の社会的企業家を育成し、2012年までに4000人へ増やす。社会的企業に対しては、1チーム(5人)当たり平均3000万ウォンを支援する。
また、10の大学にスマートワークや自由な会議空間など創造的インフラを作り、サークル活動などを活発に展開できるようにする。若者たちが文化芸術やIT(情報技術)などの融合型創造活動に取り組めるよう、地方自治体ごとに施設や設備を提供するプログラムも準備中だ。
グリーン技術産業、先端融合産業、高付加価値サービス産業など新成長分野は、追加で3600人(2011年1800人、12年1800人)の雇用を創出する。さらにエネルギーなどの新技術開発や新市場開拓で市場の変化をリードする有望分野を中心に、公共機関の青年雇用を拡大する。増員規模は原子力などエネルギー分野で1700人、政府出資機関の研究人材1200人、国立大病院の医療陣1200人だ。これらの人材は新規採用で補充し、新規採用実績も経営評価に反映させるようにした。
そのほか火災、自然災害の管理及び救助、救急活動、治安などの公共サービスが需要に比べて不足している点を勘案し、公務員を1350人(消防450人、治安700人、商標出願審査200人)増員する。公共の就労場所も5800人分(災害防止・疾病モニタリング要員1000人、地域社会サービスなど生活密着型の職場4800人)増やす。
実効性が低い行政インターンを廃止し、代わりに、中小企業及び中堅企業のインターンを12年までに3万7100人増やす方向だ。世界経済の回復など対内外の情勢を勘案し、海外での就業者も1万2000人増やす計画だ。重点的な対象は、航空乗務員、ホテルサービス、IT分野となっている。