外貨保有高が3カ月ぶりに過去最高値を更新し、3000億ドル突破を目前にしている。韓国銀行は7日、韓国の今年1月末現在の外貨準備高が前月(2915億7000万ドル)比1・5%(43億9000万ドル)増の2959億6000万ドルを記録したと明らかにした。これは、昨年10月末に記録した過去最高値(2933億5000万ドル)より26億1000万ドル多い。外貨準備高は昨年11月に小幅減少の2902億3000万ドルとなったものの、以降は再び増加傾向を示している。
韓国銀行は先月の外貨準備高の増加理由について、運用収益及び欧州通貨の価値上昇を挙げた。
外貨準備高の規模拡大に伴って運用収益が上がったうえ、ユーロとポンドで表示された債権の米国ドル換算額が増えたためだ。
韓国銀行関係者は「ユーロ地域の国債発行が順調なうえ、政策金利引き上げの可能性が持ち上がったことでユーロ高及びポンド高の現象をみせた」と説明した。
先月にユーロとポンドは米ドルに対し、それぞれ2・3%、2・7%切り上がった。
今年1月末の外貨保有高を構成資産別にみると、▽有価証券2624億4000万㌦(88・7%)▽預け入れ金285億9000万㌦(9・7%)▽SDR(特別引出権)36億7000万㌦(1・2%)▽IMF(国際通貨基金)ポジション11億8000万㌦(0・4%)金8000万㌦(0・03%)。
SDRとはIMFの特別引出権で、IMF加盟国が国際収支悪化時にIMFから無担保で外貨を引き出せる権利をさす。また、IMFポジションとは、IMF加盟国がIMFから無条件で資金を引き出せる限度額のこと。
有価証券は前月より55億㌦減少し、預け入れ金は96億㌦増。SDRとIMFポジションは前月より小幅増加、金は前月と同水準を維持した。
一方、韓国の外貨準備高規模は昨年12月末基準で中国(2兆6483億㌦、昨年9月末基準)、日本(1兆962億㌦)、ロシア(4794億㌦)、台湾(3820億㌦)、インド(2973億㌦)に続き世界6位となっている。
このような外貨準備高の増加に伴い、韓国銀行は外貨資産の運用組織拡大を推進中だ。
韓国銀行は、外貨準備高の運用組織である外貨資金局を「外貨資産運用院(仮称)」に拡大する内容の組織改編を進めている。韓国銀行は「外貨準備高が引き続き増加すれば、これを運用する組織も拡大するべき」と強調。韓国の外貨準備高は08年末(2012億㌦)から昨年末の2年間で45%近く増えた。
改編されれば組織の自律性が高まり、運用方式もさらに収益率を追求する方向へ変わる見込みだ。