国内百貨店の善戦が著しい。昨年、ビッグ3(ロッテ、現代、新世界)の売上高成長率はいずれも2ケタを記録した。業界1位のロッテ百貨店は7日に715億ウォンを売り上げ、過去最高の一日売上を更新した。新世界百貨店・江南店は昨年に売上1兆900億ウォンを記録し、1999年のロッテ百貨店・本店に続いて2番目に「1兆ウォン百貨店」となった。
米国や日本などの先進国は、百貨店業を斜陽産業としているが、韓国の百貨店は急成長している。昨年、ロッテは16・5%、現代は13・7%、新世界は26%の売上高成長率を記録。米国と日本の場合、2009年の百貨店の売上高成長率はそれぞれマイナス12・2%、マイナス10・8%だ。半面、同年の国内百貨店全体の売上は前年比9・0%増で、昨年はさらに高い12・2%と暫定集計された。先進国の百貨店の苦戦は、飽和状態の市場に加え、グローバル金融危機によって消費が萎縮したためだ。だが、その状況は、韓国も変わらない。
専門家は国内百貨店の善戦に対し、▽韓国だけの徹底した顧客管理▽ブランド市場の急成長▽急増する外国人観光客の三拍子が重なった結果とみている。
例えば、現代百貨店は個人化された特典に力を入れ、クラブの加入を勧誘している。出産を控えた顧客にはプリママクラブ、中・高校生の子をもつ親にはJクラブ、結婚準備の顧客にはクラブウェディング加入を勧める。
現代百貨店は、一人ひとりの状況に合わせた情報と特典を提供し、固定の顧客を引き込む方式を取り入れている。
急速に拡大する高級ブランド市場も、百貨店の活況を支えている。
百貨店の高級ブランド品の売上は、最近の5年間で3倍に拡大。新世界百貨店の場合、全体売上に占める高級ブランド比率が、07年の14・4%から昨年24%に増えた。
同百貨店は07年に本店・本館を高級ブランド館に改装し、09年には江南店の2階売り場全体を高級ブランド階に拡張した。
外国人観光客の力も大きい。急激な円高に伴い、日本人客が09年から韓国の百貨店に殺到。09年末からは、中国人客が増大した。最近、新世界百貨店・本店は中国人客だけで日に200人以上で、一人当たりの購買価格も日本人の平均4倍以上となっている。
最近、ソウル明洞のロッテ百貨店・本店と連結しているロッテホテル地下1階(6300平方㍍)は、百貨店売り場に改装することが決まった。ロッテ百貨店は経営戦略会議で、今年の店舗拡張・リニューアル案を確定。明洞本店、蚕室店、釜山本店など7店舗が店舗面積を拡大し、売り場と便宜施設を増やす。工事は今月末から3段階で分けて進行し、来年10月頃の終了を予定している。明洞本店はロッテホテル地下1階を高級ファッション及び雑貨売り場、便宜施設として活用する計画だ。