ここから本文です

2011/05/27

<韓国経済>サムスンLED、LGイノテック・欧米のLED市場に進出

  • サムスンLED、LGイノテック・欧米のLED市場に進出

    サムスンLED製のLED電球

 サムスンLEDとLGイノテックが、海外の先進LED(発行ダイオード)照明市場進出に乗り出した。サムスンLEDは来月、米国で自社ブランドのLED照明を発売する計画だ。自社ブランド製品を海外で販売するのは初めて。米国で販売する製品は従来の白熱灯ソケットを活用できるLEDランプ、ハロゲンや蛍光灯などを代替する製品だ。LGイノテックも米国進出に着手した。LED照明は、白熱灯や蛍光灯に比べエネルギー効率(省エネ)が高く、近年市場が広がっており、今後高い成長が見込まれている。

 サムスンLEDは昨年に米国1位の照明会社エキュティブレンズと協力関係を結び、米国進出の準備を進めてきた。エキュティブレンズにLED照明モジュール(核心部品が組み立てられた半製品)などを供給する一方、米国に合わせた現地型製品を開発した。米国市場を集中攻略後、欧州などへ進出範囲を拡大する方針だ。

 LGイノテックは、このほど米・フィラデルフィアで開かれた「国際照明博覧会」で展示ブースを設け、新型LED照明モジュール製品を発表。米国最大の照明博覧会である同博覧会には500余社が参加し、フィリップスやクーパーライティングなど世界的な照明メーカーや流通及び照明部品企業などの企業間(B2B)取引が多く行われる。そのため、同博覧会は北米攻略の主要舞台とされている。

 LGイノテックはこの博覧会で、▽厚さ8㍉㍍の超スリム平板照明モジュール▽照明モジュール内部に反射板を設置し、照明の角度を調節する製品などを展示した。

 サムスンLEDが完成品で市場攻略を進めるのに対し、LGイノテックはグローバル会社や現地企業にLED照明モジュールや関連核心部品などを供給するB2B取引方式に集中する方針だ。

 LGイノテックは、この方法で欧州市場の攻略も進めており、昨年末に欧州屈指の照明会社ズムトベル(Zumtobel)とLED照明の共同開発と流通協力に対する契約を締結した。

 このように両社が海外進出に積極的なのは、まだ韓国市場が大きくないこと及び国内だけの事業拡張に無理があるためだ。今年の国内LED照明市場は1000億ウォン前後とみられている。

 北米市場は世界のLED照明市場の約30%を占めるうえ、成長性も大きい。北米のLED照明市場は今年30億㌦、2015年に120億㌦へ成長する見込みだ。

 昨年から米国の連邦・地方政府は従来の照明をエネルギー効率の高い製品に交替する事業を推進。LED照明使用に対するインセンティブプログラムが23州で施行され、ロサンゼルスなど30余都市で大規模な普及事業が進められている。

 しかし、課題もある。フィリップスなどグローバル企業や現地企業がすでに米国などへ進出しており、両社はこれらのメーカーとの競争にさらされる。