ハンファ建設は、総額72億5000万ドルのニュータウン建設事業をイラクの国家投資委員会から受注した。これは、首都バグダッド郊外に10万戸の庶民向け住宅を建設するもので、このほど同国の首相官邸で、基本合意書の調印式が行われた。今回受注したのは、イラクが戦後復興事業の一環として推進する「住宅100万戸建設プロジェクト」の一部で、8月ごろ本契約を締結する予定。今後イラク復興事業への韓国企業の進出が相次ぐ見通しだ。
今回の基本契約は、マリキ首相と朴錫凡(パク・ソクボム)駐イラク韓国大使陪席のもと、金玄中(キム・ヒョンジュン)・ハンファ建設副会長とサミ・アル=アーラジー国家投資委員長の間で結ばれた。
事業内容は、バグダッド市内から東方に25㌔ほど離れたベスミヤ地区にある1830万平方㍍の敷地に100~140平方㍍の住宅10万戸から成るニュータウンを整備するというもの。投資額の内訳は、住宅建設費55億㌦、団地造成費17億5000万㌦で、工事代金は全額現金で支払うことが条件。金副会長は「契約金として10%をまず受け取り、4000戸が完成するごとに代金を段階的に受け取ることになっている」と説明した。
設計、調達、施工を一貫して担当するEPC方式で受注。18年まで建設する計画だ。
ハンファ建設は、今年初めに掲げた「2015年グローバル100大建設企業入り」の目標達成のため、海外戦略を全面的に強化、大型受注に結実した。
金副会長は、「十分な経験と技術力を持った分野に集中した結果」と強調した。「うまくやれる」分野に重点を置いて事業を成功させ、これを通じて発注元との信頼を築いてまた別の事業を受注するという戦略だ。特に今回は、仁川(インチョン)エコメトロ団地を開発し、ニュータウン開発経験を積んだのが発注元に受け入れられたという。エコメトロは238万平方㍍にアパートと一戸建て住宅、学校などを建設する国内最大の民間都市開発事業だ。
ここに最近サウジアラビアで大型プラント事業を遂行し、設計・調達・施工能力も認められた。金副会長は「工事額も多いが、イラクの戦後復興事業に韓国の建設会社が本格的に参加したことに意義がある」と説明した。
ハンファ建設はこれまで海外建設市場でみるべき実績を上げていない。国内住宅市場が沈滞し始めた06年以後に海外建設市場開拓に力を入れ出したが、07年の海外工事受注額はわずか3000万㌦にすぎなかった。それが09年に1億1200万㌦に増え、エンジンがかかった。金副会長は「現30%にとどまっている海外事業の比率を15年には40%以上に引き上げる」と今回の大型受注で自信を深めている。