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2011/06/10

<韓国経済>クラウドコンピューティング時代到来

  • クラウドコンピューティング時代到来

 世界的にクラウドコンピューティングが脚光を浴びているが、韓国の個人用クラウドサービス利用者は最近1000万人を超えた。このようなサービスのニーズは主にスマートフォン(高機能携帯電話)利用者から出ており、今後さらなる広がりが見込まれている。政府もクラウドコンピューティング大国をめざし育成策を打ち出しており、IT産業は新たな段階に突入しようとしている。

 SKテレコムとKTが推進する「Nクリーン」(一つのコンテンツをスマートフォン、タブレットパソコン、スマートテレビなど様々な機器で利用できる)は、クラウドコンピューティングを基盤としている。

 モバイル端末機はデスクトップ型パソコンに比べて機能や保存容量で見劣りするが、クラウドサービスで、その機能が飛躍に拡大する見込みだ。

 韓国の移動通信会社とポータル企業もクラウドコンピューティングを核心サービスとし、競争に乗り出している。

 KTとネイバーは、保存容量を従来の約2倍に拡大。最近、LGユープラスも保存容量を50ギガバイトから100ギガバイトに増やした。

 放送通信委員会は、韓国のクラウドコンピューティング市場が今年の1604億ウォンから2014年には4985億ウォンに成長すると予想している。世界市場も31兆ウォンから60兆ウォンに拡大すると見込まれている。

 クラウドコンピューティング市場で最も堅固な基盤を確保しているのはグーグル。オンラインのオフィスソフト「グーグル・ドックス」やGメールが成功し、先月にはグーグルミュージックと映画レンタルサービスの発表とともにエンターテインメント市場にも進出。

 ここにアップルが参入、6日にインターネットを通じた音楽配信サービス「iCloud(アイクラウド)」を発表した。グーグルが業務用サービスを主とする半面、アップルは音楽・動画の管理・再生ソフト「iTunes(アイチューンズ)」を基盤にしたエンターテインメントサービスに特化する。

 さらに、サムスン電子も下半期(7~12月)にクラウドサービスを開始すると宣言。すべてのデジタル機器でデータ互換を可能にするデータネットワークを構築する計画で、総合事業計画をとりまとめ中だ。今後、競争が激化する見通しだ。

 政府は2015年までに世界的なクラウドコンピューティング大国をめざし、先月に「クラウドコンピューティング拡散および競争力強化戦略」を発表した。クラウドコンピューティングを活性化すれば、コストやエネルギーの削減、生産性の向上、IT産業の新事業成長などの効果があると期待している。