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2011/06/17

<韓国経済>LED照明・中小企業適合品目に指定の動き

  • LED照明・中小企業適合品目に指定の動き

    韓国の中小企業が開発した各種LED照明器具。展示会での商談のもよう

 エコ社会へ向けて世界的に注目されているLED(発光ダイオード)照明をめぐって、韓国内で議論が起こっている。大企業と中小下請け企業の共生をめざす協力成長委員会がLED照明を中小企業適合品目に指定することを検討中だ。これに対して、大企業サイドは「海外メーカーに市場を奪われる」と反発している。中小企業適合品目に指定されれば、大企業の参入は規制されざるを得ない。そうなると、外国のLED照明メーカーに中小メーカーは太刀打ちできないという主張だ。

 今年のLED照明の世界市場は102億㌦に達し、昨年の50億㌦の2倍を超える見込みだ。4年後の15年には544億㌦へと5倍以上に急拡大すると予想されている。

 このLED照明は未来の有力な成長産業であるが、日本の日亜化学、豊田合成、ドイツのオスラム、米国のGE、クリー、オランダのフィリップスの上位6社でシェア70%を占める寡占状態に置かれている。このような寡占市場に参入、勢力図を塗り替えようとしているのがサムスンLEDとLG電子(LGイノテック含む)だ。両社は、昨年からLED照明事業を本格化し、先月には国内と海外市場で1万ウォン台のLED電球を同時に発売した。

 市場では、「半導体とテレビがそうだったように、世界最高レベルの競争力とブランドパワーでLED市場も一気に変わる勢いだ」と韓国企業の動向を注視している。

 こうした中、オスラムが今月6日、サムスン電子、サムスンLED、LG電子、LGイノテックを相手に特許権侵害だと提訴した。LED照明市場への韓国企業の進出に警戒を強めたからだとの見方がなされている。サムスンとLGがLED照明事業で足場を固める前に牽制しようという戦略にほかならない。

 4月にはクリーとオスラムがLED照明分野で包括的な特許権共有契約を結んだ。クリーはまた、フィリップとも特許共有契約を結んでおり、オスラムも日亜化学、フィリップス、豊田合成と特許共有契約を結ぶなど「特許カルテル」を形成している。

 サムスンやLGは、このような海外メーカーの特許権攻勢以上に、神経を使っているのは国内動向だ。150余の中小企業で構成される韓国電灯器具工業協同組合は最近、協力成長委員会で推進中の中小企業適合品目にLED照明を含めなければならないと主張。これに次いで、韓国LED普及協会も、大企業のLED照明市場進出を反対し、同様の決議を行った。

 これらの団体は、「800余の中小企業が数十年間にわたって続けてきた照明分野にサムスン、LG、ハンファ、ポスコ、SKなどの大企業が参入すれば、存廃の危機に陥る。少なくとも、政府調達市場では大企業の進出を抑えてほしい」と訴えている。現在、政府調達市場で「最低50%以上の物量を中小企業に割り当てる」としている規定を強化してほしいという要求だ。

 これに対して、大企業関係者は、「協力成長委員会がLED照明を中小企業適合品目に含めれば、国内での商売は終わったに等しい。海外で商売せよということだが、内需基盤なしに、どうやって海外市場を攻略できるのか」と批判。別の大企業関係者も「現在、国内の一般照明市場の50%以上をフィリップス、オスラム、GEなどの外国企業が占めている。大企業進出を規制すれば、半導体よりも大きくなるLED市場も外国企業に持っていかれる公算が大きい」と協力成長委員会の動きを牽制している。

 中小企業適合品目の指定は下半期(7~12月)に決まる。