知識経済部が発表した8月の輸出入動向によると、輸出は前年同月比27・1%増の463億8000万ドルを記録した。輸入は29・2%増の455億6000万ドルで、貿易収支は8億2000万ドルの黒字となった。19カ月連続で黒字を維持したが、黒字幅は今年に入って最も小さく、前月の63億2000万ドルと比べると大幅な減少だ。また、米国向け輸出はマイナスに陥り、半導体や液晶パネルの減少幅が広がった。途上国・新興国向けが好調なため、輸出増加率は高水準を維持しているが、今後は楽観を許されない状況にある。
8月の貿易について知識経済部は、「輸出額は季節的要因で減少したが、前年同月比で20%台の増加を示し、輸出増加ペースは鈍化していない」と説明した。また、「貿易収支が9月には改善すると予想されるが、国際環境に不安要因が潜在しているため、モニタリングを続ける必要がある」と指摘した。
輸出実績を見ると、IT(情報技術)輸出の不振は尋常でない。8月の半導体輸出は前年同月比14・1%減の40億8000万㌦。6月のマイナス3・9%、7月のマイナス12・5%に比べ減少幅が大きくなっている。世界需要の減少とDRAM価格の下落が影響した。液晶パネルの落ち込みはもっと大きく、7月のマイナス21・0%に続き8月もマイナス21・5%。液晶テレビの最大需要先の欧州の景気悪化が大きく影響している。
知識経済部関係者は、「景気に敏感なIT製品の輸出が鈍化しており、DRAM価格の底入れにはしばらく時間がかかりそうだ」とみている。IT製品の輸出比率は22%に達しているだけに全体輸出に与える影響は小さくない。
国別輸出においても大きな変化が見られる。8月に5・9%減の22億7000万㌦(1~20日)にとどまった対米輸出動向が懸念される。財政危機の余波が本格化している可能性は大きい。ちなみに、対米輸出増加率は5月の22・4%から6月11・4%、7月2・5%と激減傾向にあった。
政府関係者は、「輸出先が多角化し、韓国の輸出に占める先進国の比率は30%内外」としているが、その影響は過小評価できない。対米輸出比率は10%にまで下がっているが、依然として米国の存在は大きい。
例えば、米国の需要が委縮すれば、中国など新興国の対米輸出にも影響が出るが、その対米輸出用に使う中間財や資本財を供給している韓国の輸出にも直ちにハネ返ってくる。世界経済の現実は、このように多国間が連関しているからだ。
一方の輸入は8月に30%近く急増したが、これは主に国際原資材の価格急騰が大きく影響している。原油輸入は46・5%、ガスも33・5%増加した。また、牛肉(92・1%)や履物類(45・1%)など消費財の輸入も高い伸びを示した。