サムスン電子が暫定集計した第3四半期(7―9月)の連結売上高は41兆ウォンを記録、前年同期比1・9%増加した。営業利益は4兆2000億ウォンで13・6%減少となった。経営環境は厳しくなっているが、スマートフォン(高機能携帯電話)の販売好調で携帯電話部門の営業利益は初めて2兆ウォンを超え、全体営業利益の半分を占めた。同期のスマートフォン販売は2800万台に達したと推定されており、初めて米アップルを抑えて販売世界1の地位についたと分析されている。
サムスン電子の第3四半期の営業利益は市場予想を1兆ウォン近く上回っており、利益の落ち込みを最小限に抑え、今年初めて営業利益率が10%を超えた。前期比42・8%増のスマートフォンの販売急増が大きかった。特に、5月に販売を開始したギャラクシーS2が5カ月間で1000万台以上の売れ行きをみせた。
ストラテジー・アナティクス(SA)など国内外の市場分析機関によると、スマートフォン世界一であるアップルの第3四半期販売台数は2100万~2500万台と予想され、2800万台のサムスンに首位の座を奪われたと分析している。
サムスン電子は、このスマートフォンの販売好調で携帯電話部門の営業利益が第2四半期(4~6月)の1兆6700億ウォンから第3四半期には2兆ウォンを超えたと推定された。同社が韓国で初めて携帯電話を生産した1988年から23年目で全体営業利益の半分を占める稼ぎ頭になった。だが、営業利益でサムスンは第3四半期もアップルを下回ったと推定されている。アップルは前期比30%以上増えたと予想されているが、サムスンは13%以上減少しているからだ。
一方、半導体部門はDRAM価格の下落にもかかわらず、原価競争力の改善などで1兆5000億ウォンを超える利益を出したと分析された。
携帯電話に内蔵されるモバイル用チップなどを含むシステムLSI部門も好調を持続した。パソコン用汎用DRAM半導体の売上比率が30%に低下する中、高性能・低電力・大容量のモバイル製品で競争力を確保した格好だ。
また、世界経済の低迷でテレビ市場が全般的に落ち込んでいるが、インターネット対応のスマートテレビなど高付加価値製品市場で高いシェアを占め、好業績を続けた。
だが、液晶パネル価格が原価以下に下落し、ティスプレー部門は3期連続の赤字となった。赤字幅は2000億~3000億ウォンに達する見通し。
第3四半期の暫定実績を含め、サムスン電子の1~9月の売上高は前年同期比4・1%増の117兆4200億ウォン、営業利益は23・7%減の10兆9000億ウォンとみられる。