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2011/11/18

<韓国経済>西南海岸に海上風力発電団地

  • 西南海岸に海上風力発電団地

    京畿道安山沖合の海上風力発電機

 政府は、2019年までに10兆2000億ウォンを投じて、西南海岸に大規模な海上風力団地を建設する計画だ。発電容量は250万キロワット。これは光州(クァンジュ)市を含む全羅南・北道(494万人)の電力消費を充当しても余る容量で、新・再生可能エネルギー比率を高める切り札と位置付けている。政府は、このような計画を軸に、世界3位の「海上風力発電大国」をめざしている。

 知識経済部は、ソウル市内のホテルで「西南海の海上風力総合推進計画」を発表し、全羅南・北道当局をはじめ、電力会社や風力設備メーカー、エネルギー管理公団などが参加して推進協議会を発足させた。

 今回のプロジェクトは官民合同で推進。韓国電力と子会社の発電6社は特殊目的法人を設立し、大宇造船海洋、現代重工業など風力発電システム供給8社と設備供給契約を結び、事業を主導することになる。

 立地は、全羅北道と全羅南道が接する扶安(プアン)と霊光(ヨングァン)の海上で、3段階に分けて推進する。第1段階は、14年までに10万㌔㍗規模の実験団地を建設。第2段階として16年までに40万㌔㍗規模のモデル団地を建設する。19年までの第3段階で200万㌔㍗の団地を建設し、合計の発電容量が250万㌔㍗の一大海上風力団地を形成するというもの。

 第1段階では、斗山重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業、ユニスン、現代重工業、暁星重工業、DMS、STX重工業など風力システム供給社が3~7メ  ガ㍗級の発電機を開発して設置する。第2段階は韓電と発電6社が主導し、第3段階には外国メーカーも参加させる計画だ。

 政府は生産した電力を全国に供給するため、海上構造物などの技術開発に290億ウォンを投じ、開発・設置、支持構造物設置・系統連系などには民間投資を誘導するとしている。

 知識経済部は、西南海外以外に、済州道、南海岸など他地域についても小規模な海上風力発電団地の建設を検討している。

 海上に発電施設を建設するのは、陸地に比べ利点が多いとされる。まず、海上では土地の買収などの費用が必要なく、1カ所に大規模な施設を設置しやすい。また、海には障害物がないため風力が強く、風速も陸地より速いため、発電効率は陸地よりも高い。さらに、海上風力発電では、大型のブレードやタワーを船で容易に運搬でき、1基当たりの発電容量を大きくできるメリットがある。

 知識経済部によると、今回の海上風力発電団地建設プロジェクトの経済効果は累計42兆4000億ウォンにのぼり、7万6000人の雇用創出が期待できるという。