ここから本文です

2011/11/25

<韓国経済>STX重工業・サウジから大型プラント工事受注

  • STX重工業・サウジから大型プラント工事受注

    STX経営陣が参加したサウジアラビアの鉄鉱石鉱山開発とプラント産業団地建設のための契約締結式

 STX重工業が、サウジアラビアから鉄鉱石鉱山開発と関連プラント建設の大型事業を受注した。受注総額は20億ドル。事業内容は、1、サウジアラビア北西部にあるタブーク市の鉱山で毎年500万トンの鉄鉱石を採掘2、プラント産業団地造成のため、ペレットプラントや発電プラント、淡水プラントを建設するというもの。今回最も注目されるのは、韓国企業としては初めて、企画から設計、調達、施工に加え、運営、管理にいたる全工程を担当するEPCOM契約で受注した点だ。

 発注社ナショナルマイニングは、サウジアラビア北西部のワディサワウィン地域開発のため、全世界で22億㌧の鉄鉱石埋蔵量を確保している英資源開発企業ロンドンマイニングとサウジ民間企業アルシャリフグループなどが出資して設立した合弁企業。サウジアラビアのナワフ王子が会長を務める。

 この地域の鉱山には、商業的に利用が可能な鉄鉱石1億2500万㌧以上が埋蔵されており、サウジアラビアの新たな資源開発として注目されている。同国政府は「脱石油産業および地域均衡発展」を重要政策として打ち出しており、今回の事業に対し大きな関心を寄せている。

 今回の受注がEPCOM契約であるのは、STXグループに対する信頼の高さを示している。EPCOMは、企画プラスEPC(設計・購買・施工)プラスO&M(運営・管理)の事業の全工程を担当することを意味する。

 従来のEPC契約より遥かに評価が高い受注方式であり、STXは事業の重責を担うことになる。STXは今回の事業で、鉄鉱石採掘のためのプラント団地を建設するが、特に重要な役割を担うのがペレットプラントだ。これは、鉄鉱石を採掘した後、不純物をなくし、鉄鋼材生産に使用できる形態に加工する基盤施設。STXは、生産した鉄鉱石をここで加工した後、全世界で販売する計画だ。

 STXは、ハイニックス半導体の買収を放棄し、大型M&A(買収・合併)から撤退すると宣言した。代わりに海外からの受注に力を入れている。姜徳寿(カン・ドクス)STXグループ会長は、2020年を目標年度とする中長期ビジョンを達成するため、資源開発と関連した建設・プラント事業受注に総力を挙げると宣言。今回も李熙範(イ・ヒボム)・STX重工業・STX建設会長とともにサウジアラビアを訪れ、受注契約に結びつけた。

 STX重工業は、先週にもサウジサウススチールから年産50万㌧規模の圧延増設プラントを受注している。STXの関係者は「サウジでの相次ぐ受注は、姜徳寿会長が中東地域のビジネスに力を注いできた成果だ。今後もサウジ政府とのパートナーシップを強化し、追加受注を期待している」と語った。

 STX重工業は、インドネシアで鉄鉱石鉱山の運営・販売ノウハウを蓄積してきた。資源開発での成功が評価を高めたようだ。