大宇造船海洋が建造した世界最大級の海洋プラント、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積み出し設備)が、アフリカのアンゴラ沖で本格稼働に入った。同プラントは、深海から原油を採掘し不純物を除去する原油生産から貯蔵、積み出しまでを一貫処理できる超大型の船舶型プラントだ。大宇造船海洋が2007年にフランス石油大手のトタル社からターンキーベース(一括受注)方式で受注した。
この海洋プラントは、アンゴラの油田鉱区名にちなんで「パズフローFPSO」と命名された。
パズフローFPSOは、すでに8月から原油生産を開始し、11月までに600万バレルを産出した。このような安定操業を受け、大宇造船海洋は、南相兌(ナム・サンテ)代表、トタル社のクリストフ・ド・マルジュリー会長らが参加し現地で竣工式を行った。
建造期間は、09年から2年10カ月。全長325㍍、幅61㍍、高さ32㍍の大きさで、重量は12万㌧。これまでに建造された海洋プラントの中で最大だ。原油処理能力は日量最大22万バレルで、440万立方㍍のLNG(液化天然ガス)を生産できる。また、韓国の1日の石油使用量に相当する190万バレルの原油が貯蔵可能だ。
受注額は2兆6000億ウォンで、過去最大。高付加価値船舶のLNG運搬船の約10倍に達する。
パズフローFPSOは今年1月、韓国東海岸の巨済(コジェ)島の玉浦造船所で命名式を行い、太平洋を横断して、3カ月かけてアンゴラに輸送。現地で4カ月かけて設置を完了した。
大宇造船海洋は、パズフローFPSOをはじめ、トタル社から三つの海上原油生産施設を受注しており、受注総額は42億3500万㌦にのぼるという。
大宇造船海洋の関係者は「パズフローFPSOの成功は、韓国が海洋プラント建造の分野で世界最高の技術と競争力を持つことを意味する。海洋プラントは韓国重工業界の新たな成長エンジンになると期待される」と語った。