洪錫禹(ホン・ソグ)・知識経済部長官主宰でこのほど、30大企業グループの企画・総括担当社長団との懇談会が開かれ、現代自動車、LGなど30大企業グループの今年の投資・雇用計画が示された。それによると投資額は151兆4000億ウォンにのぼり、昨年に比べ12・3%増加した。また、新規採用人員は、前年比2・2%増の12万3000人を計画。特に高卒社員の採用を今年は3万7261人と昨年より6・9%増やしている。
30大企業グループの担当社長団によると、大規模投資プロジェクトとしては、①次世代メモリー半導体開発②システム半導体やOLED(有機発光ダイオード)ディスプレーの生産ライン拡大③通信のLTE(ロングタームエボリューション)網構築④二次電池開発⑤エコカーの中核技術開発などが計画されている。
社長団は、このような投資計画を円滑に推進するため、①風力発電所の騒音関連規制②太陽光認証プロセス③電気自動車インフラ拡大④地方の工場用地確保⑤エネルギー節約施設のR&D(研究開発)投資などに対して重点的な支援を要請した。
これに対して洪長官は「企業が危機時にむしろ果敢な投資に乗り出し、未来の成長に備える必要がある」とし、「3月に企業投資活性化総合対策を発表して、企業の投資環境を改善する計画だ」と明らかにした。
グループ別では、最大手のサムスングループが今年、過去最大規模となる47兆8000億ウォンを投資する。設備投資が前年比11%増の31兆ウォンで最も多く、次いでR&D投資が13%増の13兆6000億ウォンだ。採用規模は前年比1000人多い2万6000人に確定。投資も採用も過去最高となる。
積極的な投資と採用で世界経済危機を真正面から突破し、未来成長エンジンを拡充する意欲を示した。サムスン側は「世界経済の厳しさと不確実性が高まっているが、失業問題解消と国家経済発展の一助になるよう、過去最大規模の人員を採用する計画だ」と説明。
財界16位のCJも過去最大の投資(2兆4400億ウォン)と新規採用(7600人)を計画している。投資額は昨年に比べ44%増。昨年より1000人近く増えた採用規模はサムスン、LG、ロッテ、新世界に次ぐもので、現代自動車(7500人)、SK(7000人)を上回る。特に新規採用の全員を正規職として採用する。
サムスンやCJグループと対照的なのはLGグループ。今年の投資額は16兆4000億ウォンで、昨年より15%減っている。大幅増額のSKグループの19兆1000億ウォンを下回った。設備投資に11兆5000億ウォンを投資し、タッチパネルや有機ELなど、次世代製品の量産に力を入れる。R&Dには過去最大の4兆9000億ウォンを投じる。雇用規模は1万5000人。
30大企業グループの投資と雇用計画をみると、投資(12・3%増)に比べ、雇用(2・2%増)の伸びが極端に低い。企業が投資を行えば、通常はそれに伴って雇用も増えるものだが、そうなっていない。その理由は、投資が主に設備の拡充に振り向けられていることと、海外向け投資比率が高く、国内での雇用には効果が及ばないからだ。韓国企業の海外法人数は4万5000社に達し、海外で雇用する人数も200万人近い数だ。このような構造のため、企業の売上高と輸出が増えて利益が拡大しても、雇用に直結していない。
李明博大統領は13日、青瓦台(大統領府)で開かれた非常経済対策会議で、「政府の今年の目標は雇用と物価。厳しい時こそ、企業が社会的責任レベルで雇用に対する特別な配慮をしてほしい」と述べたが、雇用増大を伴わない現在の経済構造に対しても手を加える必要がありそうだ。