公正取引委員会が、資産総額5兆ウォン以上の63グループおよび所属系列1831社を「2012年の相互出資制限企業グループ」に指定した。これら大企業グループは相互出資が規制される。新たに指定されたのは、漢拏、教保生命保険、泰栄、韓国タイヤ、イーランド、釜山港湾公社、韓国水資源公社、仁川都市公社、農協の9つ。ハイニックス半導体はSKに吸収されたため、指定対象から外れた。
今回発表された相互出資制限の63グループおよび所属系列1831社は、相互出資制限を導入した1987年以降で過去最多だ。相互出資制限の基準を2兆ウォンから5兆ウォンに上方修正した09年は、48グループ(所属系列1137社)だった。グローバル金融危機の余波のなかでも、韓国企業が大型化してきたことを表している。
特に、①総帥がいる民間企業グループ②総帥がいない民間企業グループ③公企業グループに分けると、12の公企業グループの系列社は昨年91社に達した。公企業グループの系列社数は、最も大きな増加率(前年比116・7%)を記録。総帥がいない8つの民間企業グループの系列社は175社で、前年比18・2%増。総帥がいる43の民間企業グループの系列社は1565社で、14・7%増だった。
企業グループ全体(金融保険会社を除く)の負債比率は112・1%で、前年(110・9%)より1・2ポイント増えた。民間企業グループの負債比率は98・8%で前年比0・05ポイント増にとどまった半面、公企業グループは4・4ポイント増の158・8%を記録。公正取引委員会は「韓国電力公社など主な公企業が大型化する中で系列社を大幅に増やした。これに伴い、負債比率も高まった」と説明した。
資産規模と売上が最も増えたのは、昨年ハイニックスを買収したSKグループだ。資産規模は136兆5000億ウォンで前年より37兆ウォン増え、売上高は154兆7330億ウォンで前年比43兆7000億増。系列社数も94社と最多だった。
当期純利益が最も増えたのは新世界で、前年より2兆5000億ウォン多い3兆8050億ウォンを記録。あとには、現代自動車(2兆1000億ウォン)、SK(2兆1000億ウォン)、大宇建設(1兆ウォン)などが続いた。
当期純利益が最も減少したのはサムスンで、前年比4兆6000億ウォン減。韓国電力公社も3兆ウォン減少。LGと韓進もそれぞれ2兆4000億ウォン、2兆3000億ウォン減少した。
だが、資産規模1位は相変わらずサムスン(255兆7040億ウォン)だった。売上高も、サムスンが224兆8380億ウォンで1位を占めた。
相互出資制限企業グループは、公正取引法に基づき▽相互出資を禁止▽相互債務保証を制限▽企業結合および持ち株会社の設立を制限▽金融系列社が持つ系列社株式の議決権を制限▽株式所有の現況申告を義務化――などの規制を受ける。
相互出資制限企業グループを対象にした大型内部取引の理事会の議決および公示制度も適用される。理事会の議決と公示義務の対象となる取引額の基準は資本金の10%または100億ウォン以上の取引だったが、資本金の5%以上または50億ウォン以上の取引に変更された。