ここから本文です

2012/11/02

<韓国経済>サムスン電子・スマートフォンが全利益の69%

  • サムスン電子・スマートフォンが全利益の69%①
  • サムスン電子・スマートフォンが全利益の69%②
  • サムスン電子・スマートフォンが全利益の69%③

 韓国を代表するサムスン電子と現代自動車の第3四半期(7―9月)決算が公示された。サムスン電子の業績は売上高、営業利益とも過去最高を記録したが、現代自動車は前期比で減収減益となり、明暗を分けた。また、業績が低迷していたLG電子は、不振だったスマートフォン(高機能携帯電話)が回復し、営業損益が2205億ウォンの黒字に反転した。

 サムスン電子の第3四半期連結決算によると、売上高が52兆1800億ウォン、営業利益は8兆1200億ウォンを記録した。売上高は前期比9・6%、営業利益は20・8%増で、前年同期比ではそれぞれ26・4%、91・0%の増加となる。

 事業部門別にみると、収益が減少した半導体を除く全事業部門で業績が改善した。特に、携帯電話事業を担当するIT(情報技術)・モバイルコミュニケーションズ部門は、四半期ベースで過去最高の増収増益。サムスン電子全体の売上高の57%、営業利益の69%を占めた。「ギャラクシーS3」など高付加価値スマートフォンの販売好調が業績を押し上げた。

 米調査会社のストラテジー・アナリティクス(SA)によると、サムスン電子は第3四半期に世界最多の5690万台のスマートフォンを販売した。前年同期の2810万台の2倍以上だ。これにより、世界シェアは35・2%になり、米アップルの16・6%を大きく引き離した。

 全世界の第3四半期のスマートフォン販売台数は1億6170万台で、サムスン電子とアップルの両社で半分以上の51・8%を占めた。

 SAは、サムスン電子の販売好調について「販売店とのあつれきや法廷闘争があったにもかかわらず、高級製品のギャラクシーノートから廉価品のギャラクシーYまで多くのヒットモデルを作り上げた」と評価した。

 アップルの第3四半期スマートフォン販売台数はサムスン電子の半分以下の2691万台だが、最新鋭のアイフォーン5は反映されていない。第4四半期(10~12月)は両社の最新機器が真っ向から戦うことになり、ここでの商戦が勝負を決することになりそうだ。

 ディスプレー部門は、テレビ向け液晶パネルの価格安定、スマートフォン向け有機ELパネルの需要の高まりで3年ぶりに営業利益が1兆ウォンを超えた。

 消費者家電部門は、テレビが季節的な要因で需要低迷の影響を受けたが、プレミアム製品を中心に販売が拡大。LED(発光ダイオード)製品の拡大などで収益性を維持した。

 半導体部門は、売上高が前年同期比8%減の8兆7200億ウォン、営業利益が28%減の1兆1500億ウォンに落ち込んだ。価格下落やアップル向け納品中断などが響いたが、世界の多くのライバルメーカーが赤字で苦しんでいるのとは対照的だ。

 一方、現代自動車の連結決算は、国内市場の低迷や生産蹉跌など増収増益の勢いがストップした。売上高は19兆6456億ウォン、営業利益が2兆558億ウォン、当期純利益が2兆1656億ウォンを記録。前年同期比で売上高3・6%増、営業利益3・1%増、純利益12・8%増だが、前期比ではそれぞれ10・5%、17・8%、15・0%の減少となった。

 現代自動車側は「内需低迷の継続と、賃金交渉の長期化により国内工場の生産に支障が出た影響」と説明した。今後の状況についても楽観視しておらず、品質を強調する経営で競争力を強化していく方針だ。